首相官邸落下事件から始まった日本のドローン法制と連続改正

度肝を抜かれた官邸

こんなことが出来るなら・・・。官邸の誰もが最悪の事態を想像したといいます。

 

異例のスピード航空法改正

まず初めに、ドローンによる事件や改正航空法を語る上で欠かせない有名な事件から。

首相官邸無人機落下事件
2015年4月20日
首相官邸において放射能汚染度や発煙筒を搭載したドローンが落下し、2週間後に官邸屋上で発見された事件。、福井県小浜市在住の当時40歳の男が小浜警察署に自主し、威力業務妨害容疑で逮捕された。反原発を訴えるまた、福井県知事選に影響を与える目的で墜落させたと自供。首相官邸屋上に落下させて、官邸の業務を妨げた威力業務妨害罪で起訴され、さらにドローンに取り付けた発煙筒について、遠隔操作で電気着火できる状態に無許可で改造していた。火薬類取締役法違反で追起訴され、被告人に懲役2年執行猶予4年の有罪判決が言い渡された。
 

この事件は、一般の方にもドローンの存在を広く知らせることになった事件であり、同時にドローンを直接規制する法律が事実上存在しないことが露呈した事件でもありました。

誰の眼にも明らかになったのは、「爆弾投下、鑑定内部の構造撮影・録画」その実現性ですした。

肝を冷やさないはずがありません。

そしてもう一つ、そのドローンが取得したデータの一切が中国に筒抜けということ。

DJI社です。世界の7割以上のドローンを生産する中国企業です。

官邸施設の内部情報を容易に筒抜けにすることができる、ドローンという機器の登場に、政府は驚愕したのです。

 

この事件を受けて、政府は急ピッチで法整備を進めて、わずか8ヶ月弱という異例のスピードでできたのが同年20151210日施行の改正航空法です。

200グラム以上の無人航空機で、これらを飛行させるには事前に国交省の許可承認が必要になったということです。

これは大きく分けて二つあり、飛行の禁止区域と飛行の方法について禁止項目が定められました。

例えば飛行の禁止区域では、空港周辺、150メーター以上の高さの区域、あとは人口集中地区の上空。

これらの空域を飛行させるには、事前に国交省の許可が必要になりました。

また飛行の方法では、夜間飛行・目視外飛行・第三者や物件から30m未満の飛行・その他にもあるようこれらの条件で飛行させることについても事前に許可承認が必要になりました。

今の許可承認システムのベースになったのが、この201512月施行の改正航空法になります。

小型無人機等飛行禁止法

そして、続いてできたのが翌年2016年の47日施行の小型無人機等飛行禁止法です。

通称ドローン規制法などと言われていますが、こちらは重量に関係なく200グラム未満のトイドローンなんかも含めて全てのドローンが対象になります。

首相官邸ドローンの落下事件を受け、ドローンを使用してのテロの可能性や犯罪行為の危険性などが明らかになったことで定められたのがこの法律でした。

内容は、重要施設およびその周囲おおむね300mの周辺地域の上空における小型無人機等の飛行が原則禁止となり、首相官邸をはじめとする国の重要施設、外国公館、防衛関係施設、空港、原子力事業所。

これらの周辺地域の上空でドローンを飛行させることが禁止となり飛行させるには、対象施設の管理者等の同意や都道府県公安委員会(対象施設を管轄する警察署のこと)への通報が必要となりました。

所定の小型無人機等飛行に関する通報書というものを管轄警察署に提出するルールです。

飛行前確認不足

藤沢市建築現場、ドローン墜落事故
2017年2月18日、神奈川県内沢市の工事現場で、建設現場を空撮するために飛行していたドローン、重さ約1kgが大型クレーンに接触、上空約70mから墜落し30代の男性作業員に衝突した。
男性は顔を数針縫う大怪我を負った。飛行中に電波障害が発生して操縦不能になったというもの。

これは、2015年の12月の改正航空法施行以降で初のドローンによる人身事故となりました。

航空法改正前にも、マラソン大会でドローンと接触して軽傷を負った事故や農薬散布中の産業用ドローンの事故というのはたくさんあったのですが改正航空法施行以降での人身事故というのは、この事故が初めてでした。

現場は飛行禁止区域でしたが、この業者は事前申請で飛行許可を得ており、ドローンの通信障害が起きた際にリターン・トウ-・ホームが働いて、自動帰還中にクレーンと接触して墜落した事故です。

この事故の教訓としてはリターン・トウ-・ホームの設定をしっかり確認しておけば防げた事故と言えるかもしれません。

海外では幼児の失明事故も

この他にも姫路城にドローンを衝突させて書類送検された事件や浅草の三社祭でドローンを墜落させ威力業務妨害で少年が逮捕された事件、皇居に夜間、ドローンが飛来にした事件もあります。

海外では人身事故の件数もかなり多く、中にはドローンのプロペラが幼児の目に刺さって失明したというような痛ましい事故もあります。

飛行前のチェック

何より最優先すべきことは安全です。

そのためにも、守るべきことは飛行前のチェックです。

飛行前確認、飛行計画、リスクアセスメント、注意上空の安全、健康、プロペラの状態、プロペラガードの装着、バッテリーの状態、そしてリターン・トゥ・ホームのコード設定…。

有人機のパイロットが離陸前に二人係や三人係で時間をかけて入念にチェックすることと本質は同じなのです。

 

賠償責任

事業者の方は当然加入していると思いますけれども、個人で趣味でやられている方で、機体保険は加入していても賠償保険が未加入ならば、自分を守ることと相手方にも十分な補償をする両面から必ず加入しておいた方が良い。

保険料の方も年5000円からや1200円からという保険もあります。年に数回しか飛ばさない人は、こういったスポットの保険もおすすめです。

事故や事件を振り返りながら、将来どれだけ有望なドローン業界・ドローン産業であっても、安全やコンプライアンスという基盤がなければ、非常に用途が限定された特殊機器としての位置づけしかあたえられないことでしょう。

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