2022年施行改正航空法:ドローン条文数30倍超の爆増内容

条文数3条からスタートした航空法が実に全92条へ爆増

2015年施行の航空法がう余曲折を経て202212月、いよいよ「レベル4飛行」を視野に入れた大改正が行われます。

最初3条でスタートした航空法が今回の改正で93条と大幅に増えることになります。

 

 

改正法の外観

推移と変化点が視覚的に把握できるよう色を付けて整理してみました。

改正航空法:2015年12月施行
無人航空機の飛行(132条~132条の3)
  現行法:2022年6月施行

第1節:無人航空機の登録(131条3~131条14)

第2節:無人航空機の飛行(132条~132条の3)

  新法:2022年12月施行
第1節:無人航空機の登録(132条~132条12)
第2節:無人航空機の安全性
 第1款:機体認証制度(1321313223
 第2款:登録検査機関(1322413239
第3節:無人航空機操縦者技能証明等
 第1款 無人航空機操縦者技能証明(1324013255
 第2款 無人航空機操縦士試験機関(1325613268
 第3款 登録講習機関等(1326913284
第4節 無人航空機の飛行(132条85~132条92)

航空法ができた2015年当時の条文「無人航空機の飛行」(青時の部分)が、今回の改正で最も末尾の第4節で再編成されました。

黒色の部分が追加部分ですが、見ての通り第2節から3節によって一気に増やされたことが一目瞭然です。

条文

それでは全条文のリンクを貼っておきますのでご一読ください。

 レベル4の飛行を可能とした内容

条文名にもわかる通り、新法の眼目は「機体認証」と「操縦ライセンス」の各制度の創設にあります。

これはレベル4飛行の条件としての意味を持ち、この二つの制度に国交省の飛行許可承認を加えてレベル4飛行を実現させるというものです。

つまり、認証された機体を使って操縦ライセンスを持った操縦士が国交省の許可承認を受ければレベル4飛行が可能となるということです。

レベル4飛行⇒「一等操縦ライセンス」かつ「第一種機体認証を受けた機体での飛行」かつ「許可承認取得」

この新しい条文の追加に伴い、従来からの飛行禁止に関する条文は機体の認証や資格の有無や飛行のレベルごとのルールとして分けられました。

 新制度の概要

新たに二つの制度を創設したことに加えて、飛行リスクに応じた規制の設定がなされたので、この二つが新法の両輪と言えます。この飛行リスクを「カテゴリー」という呼び方でカテゴリー1からカテゴリー3まで三つに分けられました。

 カテゴリーの中身

カテゴリー1とは最もリスクの小さい飛行で、これはいわゆる「特定飛行」に該当しないものとなります。
※特定飛行:現行の飛行許可承認が必要とされる飛行

特定飛行ではない為、飛行許可承認は不要なカテゴリーです。

カテゴリー2からは許可承認が必要な「特定飛行」となります。

カテゴリー2では次のカテゴリー3とリスクの違いを明確にうたっており、それが「立入管理措置」を行うかどうかという点です。

つまり操縦者と補助者以外の者、つまり第三者の立ち入りを管理する飛行かどうかことです。

少し難しく感じますが、この意味するところは、第三者を管理しないということ=「飛行経路の下に第三者が存在する飛行」を行うということです。

ズバリレベル4のことです。

カテゴリー2とは立入措置を講じる飛行となっているので、レベル4には該当しません。

現時点ではカテゴリー3と2との違いは「立入管理措置を講じるか否かの違い」と理解しておけば大丈夫です。

 カテゴリー別となる許可承認

 飛行が可能となる条件は、カテゴリー毎に次のように整理できます。

カテゴリーⅢ(第三者上空)

〇飛行毎の許可承認

1等無人航空機操縦士

〇第一種機体認証

〇運航管理方法の個別確認

〇共通運航ルール(事故報告等)

カテゴリーⅡ(現行の特定飛行)

許可承認不要は個別の許可承認必要)

〇1又は2等無人航空機操縦士

〇第一種又は第二種機体認証

〇共通運航ルール(事故報告等)

空港等周辺・150m以上・緊急用務空域・イベント上空・物件投下・危険物輸送・一定重量以上 

カテゴリーⅡ(現行の特定飛行)

〇飛行毎の許可承認

〇機体の安全性

〇操縦技能個別審査

〇共通運航ルール

カテゴリー1(特定飛行でない)
〇飛行毎の許可承認不要

機体認証制度の骨格

機体認証(202212月頃開始)

〇申請により国交大臣が実施
〇機体毎に認証
〇安全性格の諸要因を検査
〇機体認証書の交付
〇使用条件指定の場合あり
〇有効期間未定
〇認証後の基準不適合には措置命令

型式認証(202212月頃開始)

〇申請により国交大臣が実施
〇同一設計、製造過程による量産機を認証
〇認証機の機体認証手続きの一部省略
〇安全の均一性基準を検査
〇一種(第三者上空)、二種(非第三者上空)の区別
〇技術情報他の報告義務
〇認証後の基準不適合には措置命令

登録検査機関

〇円滑な認証制度の運用を目的
〇申請による登録
〇検査実施の義務
〇第一種は当面国が実施
〇20229月より登録申請受付開始

操縦ライセンス制度の概要

無人航空機操縦者技能証明とは

〇カテゴリーⅡ及びⅢの飛行に必須(Ⅱは個別の許可承認あれ飛行可)
〇一等(カテゴリーⅢ)、二等(カテゴリーⅡ)の区別
〇申請により国土交通大臣が実施

技能証明の内容

〇有効期間3年(更新制)
〇身体身体検査、学科試験、実地試験により判定
〇非交付・取消・効力停止の対象:一定の精神病患者やアルコール中毒者・航空法違反者
〇申請による更新(身体適正)(最新知識の講習)
〇限定証明あり(機種限定、・目視外等の飛行法限定)
〇身体基準に満たない場合は補助者配置他の条件で証明付与可能

指定試験機関・登録講習機関

指定試験機関
〇国が指定する民間機関による試験事務及び身体状態を確認
〇全国に1社のみ
〇登録講習機関での修了者は試験の全部もしくは一部を免除

登録講習機関
〇ライセンスの円滑な発行を目的に民間より登録(既存ドローンスクール)
〇申請による
〇ライセンス1等講習、2等講習、技能証明講習の三つに区分
〇実習空域、実習用無人航空機、講習施設設備、書籍の整備
〇講師の条件:18歳以上・技能証明保有・航空法違なし等
〇実施義務:講習実施・講習規定策定・財務諸表作成と備置
〇2022年9月登録受付開始予定

主な流れ

講習
〇登録講習機関※による講習(一等、二等を区別)
〇飛行に関する知識・操縦方法の講習
〇修了者は下記「試験」の全部または一部免除
※民間のドローンスクールから申請・条件充たせば講習機関登録

試験
〇指定試験機関※による試験
〇学科・技能試験の全部または一部免除
〇登録講習機関の講習を未受講の者は全ての試験を実施
※全国1法人のみの指定

技能証明書の交付(国)

更新
〇3年毎
〇登録更新講習機関が実施
〇飛行に関する最新知識の講習

 運航管理の概要

新法では種々の運航ルールが導入されていますが、その適用は飛行カテゴリー毎に分けられています。       

運航ルール

  • カテゴリー1:各種飛行方法の規制※・事故発生時の措置(飛行中止・救護・報告等)
  • カテゴリー2:1に加え「第三者立入時の措置・飛行計画及び日誌・技能証明書の携帯」
  • カテゴリー3:「第三者立入時の措置以外」の1と2

※各種飛行方法の規制
・アルコール等摂取状態での飛行禁止・飛行準備正常の確認・衝突回避の措置・騒音、迷惑飛行の禁止

各種飛行方法の規則については言わずもがなですが、今回、飛行計画の作成と飛行日誌の記録については、その義務が条文でうたわれました。

これまでもFISSによる飛行計画の提出義務はありましたが、今後は法律に基づき厳格に運用され罰則の対象となります。飛行日誌の記録も提出が求められたときに応じられない場合は罰則の対象となります。

カテゴリーⅡで許可承認不要となる条件

上でカテゴリ別の条件を整理した通り、カテゴリーⅡにおいて許可申請なしで飛行させるには、ライセンスと機体認証に加えて下記の条件を全て満たす必要があります。

  • 国交省令で決める総重量を超えないこと
  • 特定飛行のうち人口集中地区・夜間・目視外、人又は物件距離30m未満のどれかのみであること
    →注:「空港周辺・150m・緊急用務空域・イベント上空・危険物遊応・物件投下」は機体認証やライセンスがあっても許可承認が必要
  • 機体認証された機体を操縦ライセンスを受けた者が操縦すること
  • 航行と人や物件の安全確保のために国交省が定める措置を講じること

罰則

新制度の創設に伴い、罰則規定と過料規定が追加されました。

罰則規定:157条の6から同11
過料規定:161条4号から6号、162条

 

下の記事で改めて無人航空機に関する罰則をご確認ください。

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