ドローン無許可飛行は「説明不能」で信用を失う|矢野事務所

ドローン無許可飛行は「説明不能」で信用を失う|矢野事務所

 
 

ドローンの無許可飛行は、単に「許可を取っていなかった」という手続上の問題ではありません。

業務として見た場合、無許可飛行は、発注者、元請、行政、保険会社、関係者に対して、その飛行の適法性と安全性を説明できない状態を意味します。

つまり、無許可飛行の本当の怖さは、罰則だけではありません。

信用を失い、業務を失い、事故後に説明できなくなることです。

この場所で事故にならずに運航できるかは、条件によって変わります。

飛行条件を確認する

無許可飛行は業務失注につながる

現在の企業活動では、コンプライアンスが非常に重視されています。

発注者や元請企業は、ドローン事業者が適切に許可を取得し、飛行マニュアルを守り、安全管理体制を整えているかを確認します。

その確認の中で、無許可飛行、許可範囲外飛行、マニュアル違反、記録不備が見つかれば、契約直前でも業務が止まることがあります。

契約解除、コンペ除外、今後の取引停止につながることもあります。

ドローン業務では、飛ばせる技術だけでは足りません。

発注者に対して、適法に、安全に、説明できる運航体制であることを示せるかが問われます。

許可とは危険な行為を条件付きで認めるもの

飛行許可は、単なる事務手続ではありません。

本来禁止されている飛行について、一定の安全措置を講じることを前提に、例外的に認められるものです。

つまり、許可が必要な飛行には、そもそも危険があります。

DID上空、夜間、目視外、30m未満、催し場所上空などは、危険性があるから規制されています。

無許可で飛行するということは、その危険を管理する説明をしないまま飛ばすということです。

事故が起きなかったとしても、運航としては非常に弱い状態です。

罰則だけで終わらないリスク

無許可飛行には、罰則のリスクがあります。

しかし実務上、それだけで終わらないことの方が重要です。

  • 発注者からの信用喪失
  • 契約解除
  • 保険対応上の問題
  • 事故時の損害賠償
  • 行政対応
  • 今後の取引停止

特に業務飛行では、無許可で飛ばした事実そのものが、事業者としての信用を大きく損ないます。

「知らなかった」では済まされません。

許可取得だけでは片手落ち

一方で、許可を取得していれば全て大丈夫というわけでもありません。

許可は出発点です。

その後、実際の飛行で許可条件や飛行マニュアルを守る必要があります。

たとえば、飛行前確認、アルコール・薬物の影響下での飛行禁止、他の航空機との衝突予防、迷惑飛行の禁止などは、許可の有無とは別に守るべき基本です。

これらを守らなければ、許可を持っていても運航としては成立しません。

つまり、ドローン運航は「許可取得」で完了するものではありません。

許可条件を維持し、現場で安全管理を実行し、後から説明できる状態にして初めて成立します。

説明できない飛行は信用を失う

発注者や元請が見ているのは、許可書の有無だけではありません。

その飛行について、事業者がどこまで説明できるかです。

  • なぜ許可が必要だったのか
  • なぜ包括申請で足りるのか
  • なぜ個別申請が必要なのか
  • どのマニュアルに基づいて飛行するのか
  • 第三者管理はどうするのか
  • 中止条件はどこにあるのか

これらを説明できない飛行は、業務として不安定です。

この点は、ドローン運航は「説明責任」で成立する|矢野事務所でも整理しているように、現在のドローン実務では「許可があるか」より「なぜ成立すると説明できるか」が重要になります。

記録がなければ事後説明できない

適法に飛行したとしても、記録が残っていなければ後から説明できません。

飛行日誌、点検記録、整備記録、飛行計画、関係者への連絡記録などは、運航の証拠になります。

事故やトラブルが起きたとき、記録がなければ「きちんとやっていました」と口頭で説明するしかありません。

それでは説明耐性が弱くなります。

この点は、飛行日誌は「事後説明」の証拠|矢野事務所でも整理しています。

文書化されて初めて運航になる

ドローン運航では、判断や安全管理を文書化することが重要です。

許可書、飛行計画、マニュアル、点検記録、飛行日誌、役割分担、緊急時対応。

これらが文書化されていることで、運航の実態を説明できます。

逆に、文書がなければ、運航は現場担当者の記憶や感覚に依存します。

業務として継続するには弱い状態です。

この点は、ドローン運航は「文書化」で成立する|矢野事務所でも整理しています。

無許可飛行は「安く済ませる」話ではない

無許可飛行の背景には、「申請が面倒」「費用をかけたくない」「少しだけだから大丈夫」という考えがあるかもしれません。

しかし、これは非常に危険です。

申請費用や確認作業を省いた結果、失うものはそれ以上に大きくなります。

信用、契約、保険、発注者との関係、今後の案件。

ドローン業務では、安く済ませたつもりの判断が、後から大きな損失になることがあります。

まとめ

ドローンの無許可飛行は、単なる手続違反ではありません。

その飛行の適法性、安全性、運航体制を説明できない状態です。

無許可飛行は、罰則だけでなく、業務失注、契約解除、保険対応、信用喪失につながります。

また、許可を取得していても、飛行マニュアル、飛行前確認、衝突予防、記録管理を守らなければ、運航としては成立しません。

重要なのは、許可を取ったかどうかだけではありません。

その飛行がなぜ適法で、なぜ安全で、なぜ成立すると説明できるのかです。

◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆

許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません

ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。

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