空港周辺でも飛ばせる例外条件|矢野事務所

空港周辺でも飛ばせる例外条件|矢野事務所

 

空港周辺はドローンが飛ばせない。

多くの方がそう理解していますが、実務では例外的に飛ばせるケースがあります。

それが「高さ制限未満での飛行」です。

ただし、この判断は非常に誤解が多く、

  • 許可不要と思って飛ばしてしまう
  • 空港事務所との調整を見落とす
  • 結果的に違反になる

というケースが実務上頻発しています。

この記事では、空港周辺での飛行について、「飛ばせる例外条件」とその判断構造を整理します。

この場所で事故にならずに運航できるかは、条件によって変わります。

飛行条件を確認する

まず前提:空港周辺は原則禁止

航空法では、ドローンの飛行が制限される空域として、

  • 空港等の周辺空域
  • 150m以上
  • DID地区
  • 緊急用務空域

が定められています。

この中でも空港周辺は最も調整が厳しい空域です。

国土地理院地図では、黄緑色の範囲で表示されます。

この範囲内では、原則として

空港事務所との調整+航空局の許可

が必要になります。

例外:高さ制限未満なら調整不要になる

ここが重要です。

空港周辺であっても、

高さ制限未満であれば、空港事務所との調整が不要になる場合があります。

つまり、

  • 空港周辺=即アウトではない
  • 高さで判断が分かれる

という構造です。

判断フロー(ここが実務)

① 空港周辺(黄緑)に入っているか

② 高さ制限を確認する

③ 飛行高度が制限未満か

YES → 空港事務所調整 不要の可能性
NO → 空港事務所調整 必須

この③の判断がすべてです。

高さ制限の正しい見方

高さ制限は「標高」で表示される

高さ制限は「地上からの高さ」ではなく、

標高(海抜)で表示されます。

ここで多くの誤解が発生します。

ドローンは地表からの高さで考える

ドローンの飛行高度は、

地面から何m上か

で判断します。

したがって、次の計算が必要です。

飛行可能高 = 制限高(標高) − 地盤の標高

この変換をせずに判断すると、ほぼ確実にズレます。

高さ制限の調べ方

方法は2つです。

  • 高さ制限回答システム
  • 空港事務所への直接確認

羽田空港高さ制限回答システム

また、地盤の標高は地理院地図で確認します。

よくある誤解(危険ポイント)

① 黄緑=全部ダメと思っている

→ 実際は高さで分かれます

② 高さ制限=飛ばしていい高さと思っている

→ 「超えるとNG」という基準であり、自由に飛ばせる高さではありません

③ 空港調整が不要=許可不要と思っている

→ 航空局の許可は別論点です

ここを混同すると、実務で事故ります。

実務上の本当の難しさ

問題は計算ではありません。

その判断を説明できるかです。

  • なぜ高さ制限未満と判断したのか
  • どの地点を基準にしたのか
  • 飛行範囲全体で成立しているか

ここまで整理されていないと、

通報・確認・調査で崩れます。

空港周辺は特に「事後確認」が入る空域です。

関連:空港周辺の申請構造

空港周辺の飛行は、単純な許可取得ではなく、

空港事務所+航空局

という二重構造になります。

詳細は以下で整理しています。

空港周辺でドローンが飛ばせる申請

結論

空港周辺でも飛ばせるかどうかは、

高さで決まります。

しかし実務では、

高さだけでは決まりません。

重要なのは、

  • 標高と地表高の変換
  • 飛行範囲全体での成立
  • 説明できる判断構造

です。

ここまで設計されて初めて、

「例外として成立する飛行」になります。

ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する

許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません

ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。

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