
ドローン申請の処理期間と開庁日|矢野事務所
ドローンの飛行許可申請は、「何日で出るのか」が最もよく聞かれる論点の一つです。
ただし実務では、単純に「何日」とは言えません。
理由は、審査日数が「開庁日」で数えられ、さらに補正の有無で大きく変わるからです。
本記事では、機体登録から包括申請・個別申請まで含めて、実務上の期間感覚を整理します。
このページで分かること
結論|「10開庁日前」は最低ラインであって安心ラインではない
国土交通省は、飛行開始予定日の10開庁日前までに申請するよう求めています。
ただし、これはあくまで最低ラインです。
- 補正が入らないか
- 包括申請か個別申請か
- 案件が単純か複雑か
- 機体登録が終わっているか
これらによって、必要な期間は大きく変わります。
したがって、実務では「10開庁日前に出せば安心」という理解は危険です。
まず前提になるのは機体登録
飛行許可申請は、機体登録が済んでいないと始められません。
重量100g以上のドローンは、飛行許可が不要な場所であっても登録が義務付けられています。
未登録の機体を飛行させれば、航空法違反となる可能性があります。
機体登録にかかる期間
- マイナンバーカードを利用したオンライン申請
最短でほぼ1日で登録が完了します。 - 運転免許証や保険証を利用したオンライン申請
数日程度で可能です。 - 書類送付による申請
順調でも1週間から10日程度かかることが多いです。
つまり、ドローンを飛行させるためには、「機体登録の期間」と「飛行許可の期間」の両方を見込む必要があるということです。
飛行許可申請の期間目安
国土交通省は、飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前までに申請するよう案内しています。
審査に一定期間を要する為、飛行開始予定日の少なくとも10開庁日前(土日・祝日を除く)までに申請書類を提出してください。申請内容に不備があった場合には追加確認に時間を要する場合もあるため、飛行開始予定日から3〜4週間程度余裕をもって申請してください。

ただし、実務上は申請の種類によってかなり差があります。
- 包括申請
補正がなければ、1〜3日程度で許可が出るケースが増えています。 - 個別申請
依然として最短でも10開庁日を見ておくのが妥当です。複雑案件なら1か月程度の余裕を見た方が安全です。 - カテゴリーⅢ飛行
第三者上空飛行のような高度な案件では、20開庁日前までの申請が求められます。
追加確認(補正)への注意
申請内容に不備があると、国土交通省から追加確認、いわゆる補正指示が入ります。
このやり取りには、平日ベースで5日程度かかることも珍しくありません。
しかも、この期間は「10開庁日」に含まれていません。
したがって、包括申請であっても、実務では飛行開始予定日から2週間程度の余裕を見ておく方が安全です。
申請がすぐできない理由
「一週間後に飛ばしたいので今すぐ申請してください」と相談されることがありますが、これでは間に合わないことが多いです。
なぜなら、申請以前に準備が整っていないことが多いからです。
- 申請者側の準備不足
- 複雑な飛行計画
つまり、申請が遅いのではなく、案件整理が遅いのです。
依頼者との連携と予備日の重要性
クライアントは、ドローン飛行のスケジュール感を理解していないことが多くあります。
「3日後に許可を取って飛ばしてください」といった依頼も珍しくありません。
こうした事態を防ぐには、ドローンを飛ばす側から、依頼者へ早期の情報共有を促すことが重要です。
特にイベント飛行では、予備日の申請が非常に重要です。
本番日だけでなく、テスト飛行日や予備日も含めて申請していないと、当日人が集まった場合に無許可飛行となるリスクがあります。
実務では、動かす日程そのものを最初から設計して申請する必要があります。
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日数の目安は整理できますが、それだけで案件が成立するわけではありません。
日数を把握しても、その案件がそのまま通るとは限りません。
実務では、「何日で出るか」だけを基準に進めると、別の理由で止まります。
特に次のような前提で進めている場合は注意が必要です。
日数の問題ではなく、どこで止まる案件かを先に見抜く必要があります。
本当に重要なのは「何日で出るか」ではない
もちろん、許可がいつ出るかは重要です。
しかし実務では、それ以上に重要なのが、
- 飛行予定日から逆算できているか
- 依頼者と日程共有できているか
- 補正を前提に余裕を持っているか
という点です。
申請日数だけでなく、補正対応、関係者調整、中止判断、当日の説明体制まで含めて逆算する必要があります。
許可日数だけを見ていると、結局は現場で止まります。
まとめ
- 飛行許可は「開庁日」で数える
- 機体登録の期間も先に必要
- 包括申請は早いが、補正が入ると延びる
- 個別申請は10開庁日以上を見込むべき
- 本当に重要なのは、日数ではなく逆算設計
許可が取れることと、運航が成立することは別問題です。
◆ドローン運航は「事後説明」を前提に設計する◆
法人案件では「飛ばせるか」だけでは進まないことがあります
ドローン運航は、許可が取れるかだけでなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 発注者・関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まる方向に傾きます。
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