
航空局標準マニュアル01と02の違い(役割編)
航空局標準マニュアル01と02。
この二つのマニュアルがそれぞれ全く異なる「役割」を持って作られていることを理解しておくことは重要です。
これは単なるルールの新旧や上下関係ではなく、その背景には明確な目的の違いが存在します。
本稿では、その根本的な役割の違いから、両者の内容と正しい選び方を、誰にでも分かるように解説します。
このページで分かること
例えるなら「ルールブック」と「校則」
二つのマニュアルの役割を分かりやすく例えるなら、01は「あらゆる競技のルールブック」、02は「学校の校則」のような関係です。
- 標準マニュアル01は「ルールブック」
野球やサッカー、バスケなど、様々な競技(=特定飛行)のルールが一つにまとめられています。試合(=特定の飛行)の前に、関係する部分を読んで、そのルールに従います。 - 標準マニュアル02は「校則」
学校生活(=ドローンの日常的な運用)を送る上で、いつでもどこでも守らなければならない、基本的な決まりごとです。特定の競技の細かいルールは載っていません。
この「役割」の違いが、これから解説する具体的な内容の差に繋がっていきます。
対象とする「飛行の種類」の違い
それぞれの役割の違いは、まずマニュアルの表紙に書かれている対象飛行の種類に表れています。
- マニュアル01の対象飛行:
(空港等周辺・150m 以上・DID・夜間・目視外・30m・催し・危険物・物件投下) - マニュアル02の対象飛行:
(DID・夜間・目視外・30m・危険物・物件投下)
「校則」であるマニュアル02には「空港等周辺」「150m以上」「催し」の記述がありません。
これらは、場所が具体的に決まっている、いわば特別な大会(=飛行)のルールです。
いつでもどこでも適用される「校則」には、そもそも含まれていないのです。
ルールの「書かれ方」の違い
マニュアルの中身、特に安全に関するルールの書かれ方にも、役割の違いがはっきりと出ています。
- マニュアル01(ルールブック)では、基本的なルールに加え、「空港の近くではこうする(3-2, 3-3)」というように、飛行の種類ごとにルールが章立てで書かれています。
- マニュアル02(校則)では、基本的なルールの中に、「そもそも、こういう場所では飛ばしてはいけません」という禁止事項がたくさん書かれています。
共通する、安全運航の土台
役割が違う01と02ですが、ドローンを安全に運用するための最も基本的な部分は共通しています。これらは、全てのドローン操縦者が常に守るべき、安全運航の土台です。
主な共通安全基準
- 第三者の上空では飛行させない
飛行経路の直下に第三者がいないことを確認し、もし進入した場合は速やかに飛行を中止します。 - 気象条件の確認
飛行前の気象確認を徹底し、原則として風速5m/s以上の状況では飛行させません。また、雨や濃霧などで視界が悪い時も飛行は中止します。 - 飛行前点検の実施
プロペラや機体の損傷、バッテリー残量など、定められた項目に従って必ず飛行前に機体を点検します。 - 飲酒時の操縦の禁止
アルコールの影響がある状態での操縦は、一切行いません。 - 補助者の配置
飛行状況や周囲の安全を確認するため、原則として補助者を配置します。(看板設置などによる立入管理区画の明示で代替できる場合もあります)
結果として「使う場面(申請方法)」が違う
このように、マニュアルが作られた目的や役割が違う結果として、使われる申請の場面が異なってきます。
- 個別申請(日時・場所を決めた1回きりの申請)
特定の試合(=飛行)のルールを確認する必要があるため、網羅的な「ルールブック」である標準マニュアル01が使われます。 - 包括申請(1年間、全国で繰り返し行う申請)
日々の部活動のように、いつでもどこでも守るべき決まりが必要なため、普遍的な「校則」である標準マニュアル02が使われます。
まとめ
標準マニュアル01と02の最も大きな違いは、その背景にある作られた目的と役割にあります。
- 01は、あらゆる飛行のルールを網羅した「ルールブック」としての役割
- 02は、日々の安全な運用を支える「校則」としての役割
この根本的な違いを理解し、その上で両者に共通する安全の土台を常に守ることが、法令を遵守した正しいドローン運用の実現に繋がります。
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