レベル3.5の許可条件とポイント:ドローン専門の矢野事務所

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ついにレベル3.5がスタートしました。この記事で内容をご確認下さい。

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飛行レベル3.5の三つの条件

目視外飛行が補助者なしで且つ立入管理措置なしで行うことが出来るようになりました。

追加改定された審査要領では3.5を次のように定義しています。

第三者賠償責任保険に加入したうえで、無人航空機操縦者技能証明を保有する者がー(省略)ー機体に取り付けられたカメラを活用することにより、補助者や看板の配置などの立入管理措置をせずに、移動中の車両、列車又は船舶の上空を通過する場合を含む道路、鉄道又は船舶航路を一時的に横断する飛行

これが飛行レベル3.5です。

この定義の中で明確に記されているように、3.5を知る上で最も重要なのは三つの条件です。

3.5の条件
◆機上カメラと地上に設置するモニター等の設備により、進行方向の飛行経路の直下及びその周辺に
 第三者の立ち入りが無いことを確認できることを事前に確認していること

◆ 移動車両等との接触や交通障害等の不測の事態に備え、十分な補償が可能な第三者賠償責任保険に加入
 していること

◆ 操縦者が無人航空機操縦者技能証明(目視内飛行の限定解除を受けたもの)を保有していること
この主旨は、機上カメラを活用することで補助者や看板の配置といった従来の立入管理措置を撤廃し、同時に操縦ライセンスを保有し保険へ加入する者の操縦であれば道路や鉄道等の横断を容易化する…というものです。
まず、機上カメラによる直下の監視は3.5の特徴の一つである「道路横断」の安全を確保するために設けられた条件です。
保険の加入もこの道路横断や立入管理措置撤廃に伴うもので、車両が通行している道路でも横断を認める3.5が、最悪のケースを招いた場合の救済措置を設けました。
「十分な補償」の内容についての具体的な補償金額は飛行場所や形態に応じて変動する為、定められてはいません。
そして、これが最大の特徴ですが「技能証明保有者」に限るというものです。
道路横断を可能としながら安全管理措置までも省くという、難度の高い飛行が安全に行えるような知識と技量を備えた操縦士だけに門戸が開かれたということです。

レベル3.5の特徴・ポイント

上記のような条件を設けたレベル3,5飛行にはいくつかの特徴や重点ポイントがあります。

第三者が存在する可能性低い所

3.5で許される飛行エリアは「第三者が存在する可能性が低い場所」とされています。

具体的には、山、海水域、河川・湖沼、森林、農用地、ゴルフ場又はこれらに類するもの…です。

ただし、やむを得ない場合には、交通量が少ない道路・鉄道を横断する飛行と離着陸時等の一時的な飛行に限り可能とされています。

これも幹線道路・鉄道や都市部以外の道路・鉄道及び人又は家屋の密集している地域以外で…とされています。

DIDではNGなのでご注意ください。

立入管理措置の撤廃

同じ「補助者なしの目視外飛行」が許されていたレベル「3」飛行では「立入管理措置」が義務付けられていました。

立入管理区画を設定し立看板等を設置しインターネットやポスター等により、問い合わせ先を明示して第三者に周知するなど、飛行中に第三者が立ち入らないための対策を行うことの義務です。

前述の三つの条件が揃い且つ「第三者が存在する可能性が低い場所」ならば、これらを行わない「補助者無しの目視外飛行」を認めるというものです。

道路横断

上記の通り、第三者が存在する可能性が低い地域の中に位置する高速道路や幹線道路については、走行車両の上空を通過する場合を含めて「一時的な横断飛行」が認められました。

歩行者などの第三者がいない限り、移動車両上空を含む上空の一時的な横断が可能となり、レベル「3」では義務付けられていた一時停止の必要はなくなりました。

これには線路や船の航路も含みます。

但し、機体のカメラ※で経路下に第三者がいないことが確認できることは絶対要件で、歩行者など第三者が存在する場合にはレベル「3」同様に補助者や看板の設置が必要となります。

※地上のカメラで確認できれば同様に補助者なしの目視外飛行が可能です。

カメラによる監視

下記の引用は審査要領「5-4(1)d)ゥ)ⅲ」からのものですが、経路下に第三者の立入りが無いことを確認する義務については相当厳しいレベルを要求しています。

機体に取り付けられたカメラにより進行方向の飛行経路の直下及びその周辺への第三者の立ち入りが無いことを確認すること。

これは前述の3条件にもなっている重要な要件ですが、これが確実になされるように下記を求めています。

なお、設置する地上設備(モニター等)、カメラ及び通信装置等の構成において、カメラからの映像を表示し、進行方向の飛行経路の直下及びその周辺に第三者の立ち入りが無いことを確認できることを事前に確認すること。

更に確認における体制についても定めています。

加えて、機体に取り付けられたカメラによる進行方向の飛行経路の直下及びその周辺の確認においては、以下の体制を確保すること。
・使用する機体の性能、取り付けるカメラ装置や地上のモニター装置等の特性、横断する道路等の状況、周囲の地形や障害物件から想定されるリスクを十分に考慮の上、飛行を実施するにあたっての地上及び飛行視程、視程障害、道路等の上空を通過して飛行する際の速度及び高度、通過を決心する際の位置及び高度、通信速度、場所及び飛行の方法に応じて生じるおそれがある飛行のリスクと対策等の運航条件等を事前に定め、設定した運航条件に基づき飛行させる

限定解除と追加基準

操縦者に求める基準には二等以上の技能証明で且つ目視内飛行の限定解除を行っている場合ですが、これだけでは許可されません。

加えて遠隔操作技術や10時間以上の訓練が追加基準として求められています。

審査要領では「遠隔からの異常状態の把握、状況に応じた適切な判断及びこれに基づく操作等に関し、座学・実技による教育訓練を少なくとも 10 時間以上受けていること」と明記されています。

緊急着陸地点の選定

通行中の車両の上空を横断飛行するドローンが不慮の事態に遭遇し操縦不能となるケースが考えられます。

道路、鉄道及び船舶航路への墜落を避けるための緊急着陸地点の選定等、運航上の安全対策を設けていることが義務付けられています。

全ての飛行経路において飛行中に不測の事態(機体の異常、飛行経路周辺への第三者の立ち入り、航空機の接近、運用限界を超える気象等)が発生した場合に、付近の適切な場所に安全に着陸させる等の緊急時の実施手順を定めるとともに、第三者及び物件に危害を与えずに着陸ができる場所を予め選定すること。【審査要領:5-4(3)c)-ウ)】

認証機体なら審査不要

操縦難度を示す飛行カテゴリーの分類では、3.5はカテゴリー「II」に位置付けられました。

カテゴリーIIのルールの中には「技能証明と認証機体が揃えば許可承認申請が不要となる」というものがあります。

従って、認証機体を使って3.5飛行を行なう場合はカテゴリーIIのルールが適用され飛行許可申請は不要となります。

3.5飛行に認証機体を使った場合は技能証明と認証機体が揃う飛行となり、許可承認申請なしで飛行することが出来ます。

但し、この許可申請が不要となるケースでも機体の性能に関する資料の提出は求められます。

尚、認証機体でなければ従来のレベル3機の追加要件に適合している機体を使用することが求められます。

申請のポイント

航空局標準マニュアルの活用

3.5の申請のあたって航空局は新たな審査事務の方法を踏み切りました。

それは、3.5向けの新たな標準マニュアルを作成し、このマニュアルを使用する場合には審査を簡略化するというものです。

これによって審査期間の大幅短縮(震災期間1日)が可能だからです。

このマニュアルで3.5飛行の最低限のルールを網羅し、これを活用する旨の申請によって審査事務を一気に簡略化・迅速化するものです。

但し、その補足として次のようなルールも設けられました。

運航条件の事前設定

また、飛行の安全を確保するための運航条件等を事前に定める必要があります。

「地上及び飛行視程、視程障害、道路等の上空を通過して飛行する際の速度及び高度、通過を決心する際の位置及び高度、通信速度、場所及び飛行の方法に応じて生じるおそれがある飛行のリスクと対策等の運航条件」のことです。

実施に際し作成が必要な資料

DIPS申請時には必要ではありませんが「飛行の実施に際して」資料作成を求める場合がある…というものです。

国交省から要請があった場合には以下の資料を作成し提出しなければ飛行はできません。

実施に際し作成が必要となる資料
 飛行に際し想定されるリスクを十分に考慮の上、安全な飛行が可能となる運航条件等を設定した資料
 無人航空機の機能・性能及び飛行形態に応じた追加基準に関する基準適合状況を示せる資料
 操縦者にかかる飛行形態に応じた追加基準への適合性について過去の飛行実績又は訓練実績等を記載した資料
 飛行範囲、及びその外周から製造者等が保証した落下距離の範囲内を立入管理区画として地図上に示した資料
 想定される運用により、十分な飛行実績(機体の初期故障期間を超えたもの)を有することを示せる資料

これらの資料は既に「レベル3」において求められているものです。

「3.5」は従来の「3」飛行に含まれる飛行形態であり、レベル3飛行に必要な要件への適合を示す資料の作成が必要だからです。

さいごに

3.5飛行は補助者や安全管理の手間や費用を削減し、ドローンの本来の価値が顕在化する飛行形態です。

国交省は3.5飛行が物流だけでなく、インフラ点検・保守、事故・災害対応など多岐にわたり活用されると考えており、社会問題の解決に向けた取り組みが進んでいくでしょう。

これらへの普及を促進する為に3.5は大幅に規制緩和されましたが、一方で自ら運航条件を設定することが義務づけられる等、自己責任に大きく委ねられています。

「レベル3.5飛行」とはこのような飛行であることを十分に認識することが必要です。

国土交通省:レベル3.5飛行について

国土交通省:無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(カテゴリーⅡ飛行)

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【番外】場所別の規制と手続き

飛ばせる場所と規制【県別】

DIDで飛ばす【県別】

国立公園で飛ばす【県別】

山で飛ばす【県別】

観光地で飛ばす【県別】

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