2026年版|ドローン飛行許可審査基準の全体像:矢野事務所

2026年版|ドローン飛行許可審査基準の全体像:矢野事務所

 

ドローン(無人航空機)の飛行許可・承認申請は、国土交通省の「無人航空機の飛行に関する許可・承認の審査要領(審査要領)」に基づいて審査されます。

ところがネット上には、数年前の運用を前提にした情報が今も多く残っており、そのまま申請書を作成すると「説明不足」「前提のズレ」が起きがちです。

行政書士の実務感として、今の審査は条文の丸写しではなく、その飛行がどう安全なのかを構造的に説明できているかが重視されます。

本記事では、審査の全体像を「機体」「操縦者」「安全体制」の3つに分解し、2026年向けに“要点だけ”整理します。

審査基準の全体像:3つに分けると速い

行政書士が申請の整合性を確認するとき、審査要領を次の3点に分解して見ます。

この見方にすると、必要な証明(説明)がブレません。

  • 機体:安全に飛べる設計・機能があるか(異常時の措置を含む)
  • 操縦者:当該飛行を安全に実施できる技能・知識があるか
  • 安全体制:現場で第三者リスクを抑える運用になっているか

申請を“書類作業”として捉えるより、安全の説明書を作る意識に変えると、許可・承認は通りやすくなります。

【機体】技術基準で見られるポイント

機体は、審査要領の「機能・性能の基準」に照らして見られます。

実務で押さえるべきポイントは次の通りです。

1)基本の安全要件(全機体共通)

  • 構造が安全性を損なわないこと(危害を拡大しやすい形状の回避など)
  • 機体の位置・向きが把握できること(灯火・表示等、同等措置を含む)
  • バッテリー残量等の状態を操縦者が確認できること

2)安定した離着陸・飛行(遠隔操作/自動操縦)

  • 過度な技能に依存せず、安定して離着陸・飛行できること
  • 異常時に危険を増やさない措置(停止、帰還、着陸などのフェールセーフ)を説明できること
  • 自動操縦を使う場合、必要に応じて操縦者が介入できる(または介入不要を合理的に説明できる)こと

3)25kg以上の機体は追加基準が乗る

最大離陸重量25kg以上の機体は、堅牢性・耐久性・不具合時の安全確保など、追加の審査項目が増えます。

小型機の感覚で書くと、説明不足になりやすい領域です。

※型式認証・機体認証など「認証制度」を活用できる場合は、提出資料の組み方(説明の仕方)自体が変わります。制度の当てはめを誤らないことが重要です。

【操縦者】技能・知識の評価軸

操縦者は「飛行経験」「知識」「当該飛行を安全に実施できる能力」で見られます。

ここは“数字だけ”で通そうとすると、意外に詰まります。

1)飛行経験は「機体の種類・飛行態様」とセットで整理

実務では、単に飛行時間だけでなく、どんな飛行を、どんな条件で積んだかを整理しておくと強いです。

目視外・夜間・人の近く等、条件が変われば「経験の意味」も変わります。

2)知識は「法令+安全+気象+機体」の4点セット

  • 法令(無人航空機に関するルール、禁止空域・飛行方法など)
  • 安全(リスク評価、第三者への配慮、運用判断)
  • 気象(風、視程、降雨、突風・乱流の注意)
  • 機体(安全機能、制限事項、日常点検、フェールセーフの理解)

※国家資格(技能証明)の有無で、運用設計や説明の前提が変わる場面があります。

ただし「資格がある=何でも申請不要」ではありません。

【安全体制】審査で差が出る“実効性”

審査で最後に効いてくるのが「安全体制」です。行政書士の現場感では、テンプレっぽい体制説明のままだと、条件が厳しい飛行ほど止まりやすくなります。

1)第三者リスクの管理(立入管理・監視)

  • 立入管理(規制線、看板、監視員、動線の切り分け等)
  • 補助者(配置するなら役割分担、配置しないなら代替措置)
  • 周辺状況(人流、車両、建物、電線、反射、電波環境)を踏まえた運用

2)緊急時対応(暴走・墜落・通信断)

「起きない前提」ではなく「起きたらどう止めるか」までが体制です。

中止判断、周囲への周知、回収、報告、記録まで一連で説明できると審査が安定します。

3)飛行マニュアルは“標準+現場上書き”が基本

審査要領ではマニュアル遵守が前提です。

実務では、標準マニュアルに加えて現場固有のリスク(人の流れ、地形、風の抜け、夜間視認性等)を上書きしておくのが安全です。

2026年の実務:申請前に整える3点

1)DIPS2.0の登録情報を「申請前に完成」させる

申請の通りやすさは、DIPS2.0の機体情報・操縦者情報の精度に左右されます。

行政書士のおすすめは、申請画面に入る前に登録情報を一度“完成形”にすることです。

2)認証機・資格の「適用範囲」を誤解しない

型式認証・機体認証、技能証明の組み合わせで、許可・承認の要否や資料設計が変わる場面があります。

ただし、すべてが自動的に簡略化されるわけではありません。飛行カテゴリ・条件ごとに当てはめが必要です。

3)包括申請は便利だが「万能」ではない

包括申請は便利ですが、飛行態様・場所・イベント性・第三者リスクなど条件次第で個別対応が必要になります。

迷ったら、まず特定飛行の該当性個別要否を切り分けてから申請設計を行いましょう。

よくある誤解(短縮版)

  • 誤解:許可承認がないと飛ばせない → 特定飛行に該当しなければ原則不要
  • 誤解:テンプレを埋めれば通る → 体制の実効性が弱いと条件次第で止まりやすい
  • 誤解:資格・認証があれば全て申請不要 → 飛行カテゴリ次第で残る要件がある

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理解が深まる順に並べました。必要なところからどうぞ。

まとめ

ドローンの許可・承認は、審査要領に基づき「機体」「操縦者」「安全体制」の3点で評価されます。

行政書士の実務では、どこを審査され、何を証明(説明)すべきかを先に設計することで、申請の迷いが減り、結果として通りやすくなります。

「以前は通ったのに最近は通りにくい」「テンプレで埋めているのに不安」という場合は、まず体制の実効性(立入管理・緊急時対応・現場上書き)から見直すのがおすすめです。

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