熊本県の廃線跡地とドローンレベル4:包括申請の矢野事務所

レベル4・ドローン物流に「廃線」活用の可能性

 

社会実装の「到達点」として期待されるレベル4飛行は、高難度の飛行技術が要求されます。

その技術は一体どこで養成・開発していくのでしょうか。

そのフィールドの一つとして、鉄道の「廃線跡地」を考えてみました。

注:以下に紹介する「廃止路線名」は現在の再利用状況等は踏まえず廃線化の歴史のみを示すものです。

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熊本県の廃線事例

宮原線

起点終点:恵良駅↔肥後小国駅・駅数: 6駅・廃止: 1984年12月・所有者:日本国有鉄道・路線距離:26.6km・軌間: 1,067mm・線路数:単線


宮原線の詳細


廃線跡の現状

宮原線列車が発着していた恵良駅の3番線は線路跡がよく残り、その先では近年まで国道210号をオーバークロスしていたガーダー橋も残っていたが現在は撤去されている。

町田駅付近も国道387号線の西側に沿って築堤がほぼそのまま残り、往時を偲ばせる。町田駅はレールは撤去されてはいるものの、ホームや駅名標がそのまま保存されている。宝泉寺駅付近の線路跡は国道387号のバイパスとなり、痕跡は全くない。宝泉寺駅跡は小さな公園となっており、駅名標が保存される。

その先は再び国道から離れて串野集落を通る。線路跡は別荘地を結ぶ生活道路に転用されており、串野トンネルは現在も道路トンネルとして使用されている。このトンネルは旧北陸本線の柳ヶ瀬トンネル同様に交互通行のための信号が設置されている珍しい構造になっている。

麻生釣駅跡付近の大分熊本県境では国道の拡幅工事が進行しており、かつては国道の東側下を切通しで通っていた線路跡も盛土に埋もれようとしている。

この先は有名な岡本とうふ店の直上を通り、再び国道より離れ、小河川を竹筋橋で越えていく。特に堂山川橋梁は沿線随一の撮影スポットであり、小国富士とも称される標高1500mの湧蓋山(わいたさん)を背景にした列車の風景写真は雑誌等でもよく紹介された。これら橋梁は、多くが国の登録有形文化財に登録されている。

北里駅はホームが保存され、地元の特産品や野菜を売る店が建つ。ホームには上屋とベンチも新設されている。北里 - 肥後小国間の線路跡は大部分が遊歩道として整備されている。元はマウンテンバイクのコースとして使用されたため路面は未舗装のままであり、鉄道時代の面影をよく残す。幸野川を竹筋橋で越え、終点小国の手前で一般道路に合流する。肥後小国駅跡は道の駅小国(ゆうステーション)となり、駅名標などが保存されている。

出典:Wikipedia

山野線
起点終点:水俣駅↔栗野駅・駅数: 16駅・廃止:1988年2月・所有者:JR九州
路線距離:55.7 km・軌間:1,067 mm・線路数:単線


山野線の詳細


廃線跡の状況

水俣駅付近から久木野駅跡手前までは、自転車歩行者専用道路「日本一長〜い運動場」として整備されている。

水俣駅を出ると鹿児島本線(現:肥薩おれんじ鉄道)と並走していた。湯出川橋梁は当時の橋脚と橋桁が残存しており、舗装され通行できるようになっている。

東水俣駅は休憩所となっており駅舎は建て替えられているが、集落から駅に向かうコンクリートの階段が残存している。

肥後深川駅手前にあった水俣川橋梁は当時の橋脚と橋桁が残存しており、舗装され通行できるようになっている。

肥後深川駅は休憩所になり駅舎は残存していないが、脇に当時のホームと切り込み線が残存している。

深渡瀬駅は道路になっているが空き地にホームの一部が土に埋もれながら残存している。深渡瀬駅を出ると宝川内川を一度、久木野川をガーダ橋で二度渡っていたが、当時の橋脚と橋桁が残存しており、舗装され通行できるようになっている。

久木野駅手前の第二久木野川橋梁を渡ると自転車歩行者専用道路「日本一長〜い運動場」は終了し、一般道に転用されている。

久木野駅は「棚田の駅 愛林館」となっている。駐車場には当時を再現したホームや車掌車に腕木信号機等が展示されている。

久木野駅を出るとしばらく県道15号線に転用されるが有木付近から林道となる。第三久木野川橋梁はレールを撤去された以外は当時のまま残存している。

第一大川隧道、第二大川隧道、下日平隧道、日平隧道、久木野隧道が残存している。久木野隧道で鹿児島県に入ると薩摩布計駅に到達する。

薩摩布計駅はホームが残っている。薩摩布計駅を出ると通っていた山野川橋梁、堂原隧道、柴尾隧道は残存している。

西山野駅はホームが残っている。西山野駅を出てしばらくすると車道に転用されている。山野駅手前には牛ノ河川橋梁があったが当時の橋脚と橋桁が残存しており、車道として舗装され通行できるようになっている。

山野駅は鉄道公園として整備されている。

郡山八幡駅は道路になっており遺構はない。

薩摩大口駅は「大口ふれあいセンター」となっておりセンター内の「大口歴史民俗鉄道記念資料館」に山野線や宮之城線の資料が展示されている。また、屋外にも車掌車や腕木信号機にポイントなどが展示されている。宮之城線分岐までは単線並列だった。

菱刈駅は道路になっており遺構はないがA・コープの駐車場に駅跡を示す碑がある。

前目駅は道路になっており遺構はない。湯ノ尾駅手前で舗装道路と別れ未舗装道路となる

湯之尾駅は当時のホームや車掌車に踏切が、保存・展示されている。稲葉崎駅手前から歩行者・自転車専用道「栗野町サイクリングロード」となる。

稲葉崎駅は、歩行者・自転車専用道になっており遺構はない。川内川橋梁は撤去されているが橋脚の基礎部分が残存している。カーブをしながら山野線の終着駅である栗野駅に侵入していた。山野線は栗野駅1番線を使用していた。

また、山野線の枕木7000本は栗野岳の登山口から登山道の途中にある展望台まで「日本一の枕木階段」として使用されている。

出典:Wikipedia

廃線跡地の再利用状況や現況の出典:Wikipedia「日本の廃止鉄道路線一覧」

廃線跡地の持つ可能性

これからも日本の鉄道にとって廃線化の道は避けて通れないでしょう。

無理な妄想は控えるべきですが、空の産業革命と期待される「ドローン」という利器を廃線跡地利用の選択肢として活用できないものでしょうか。

以下に考えてみました。

レベル4につながる飛行環境

レベル4を分かりやすく言えば「人がいる地帯の上空で補助者なしでモニターを見ながら飛行させる」という飛行法です。

一般に広く行われている「下に人がいない場所の上空を、機体の操縦者が直接目視しながら、安全管理する補助者を伴って飛ばす」、、、という方法とは、その危険性や難度は比較にならないほど高くなる飛行です。

廃線の軌道上は人の少ない場所ではありますが、部分的にははいつでも人が立ち入ることは可能で、有人地帯にもなり得ます。

そのような廃線跡地で、補助者を配置せず飛行させれば、人の立入を防ぐことは困難となり事実上「立入管理措置を行わない」(つまり、人が自由に出入りする)飛行となります。

この点がレベル4の要件に適合します。

人の肉眼から遠く離れて線路の軌道上を飛んでいくドローンは、モニターに映る画像や飛行のリアルデータで機体を追いかけ、飛行を制御していくしかありません。

このように、廃線跡地は「有人地帯・目視外・補助者(立入管理措置)なし」というレベル4の要素が内在した飛行環境と言えます。

緩やかなカーブ・直線的な飛行

そんな廃線跡地を再利用の観点からとらえると、様々な利点が見えてきます。

廃線となった鉄道の軌道は、長い距離をつなぐ道路や高速道路と同様に、緩やかなカーブを伴う地形にそってまっすぐに伸びています。

上空には建物や電信柱などの障害物が少なく空間が広く開けており、直下の交通渋滞も無く工事なども少ないため、より高速で安全に移動できるという利点があります。

レベル4の練習フィールドとして適した環境の一つと言えるのではないでしょうか。

荷物の受渡し場所へのアクセス

練習の場にとどまらず、ドローン輸送の社会実装の面でメリットを考えると、ドローンは地上を走る車やトラックと比べて、直線的に進むことができるため、軌道に沿って荷物の受け渡し場所を設置しておけば、受取手にとってはアクセスすることが容易になるでしょう。

この点からも、ドローンにとって「廃線跡地の利用」の持つポテンシャルは飛行練習の場としてだけでなく、それ自体がドローン輸送の飛行経路として可能性があると言えないでしょうか。

より効率的で環境にも優しい飛行が期待できる廃線跡地での飛行は、ドローンによる「輸送・宅配」を実現できる可能性も併存していると考えられるでしょう。

廃線の再利用課題を解決

「廃線跡地の再利用」は鉄道会社や地方自治体が模索している社会的な課題となっています。

2020年、豊田市と愛知県は、名鉄三河線廃線跡の一部区間をドローンの専用空路に見立て、地元小売店から地域住民への商品配送を想定した実証実験を行いました。

また、名鉄グループは荷物の配達など輸送、分野でのドローン活用に注目し、ドローン配送の実証実験に積極的に取り組んでいます。

将来的には更に廃線を利用した配送網の構築を目指すことも考えられ、更にこれらに飛行訓練場としての可能性も含めれば、再利用事業に一筋の光が見えてきます。

過疎化対策の可能性も

鉄道が廃線となる原因は、乗客の少なさ・・・つまり鉄道周辺地域の過疎化にあります。

廃線化されれば、その不便さから周辺人口は益々減少していき、更に過疎化は進みます。

そうなれば暮らしを支える商業インフラも少なくなり、生活物資や薬品等緊急の輸送ニーズは高まっていくでしょう。

もともと都市部や郊外地域を結ぶ役割を果たしていた鉄道の軌道を輸送ドローンの飛行経路として転用すれば、地域間の荷物の配送がスムーズになり、人々の生活を改善することができます。

ラストワンマイル問題の解決手段や過疎化対策にもなり得るのではないでしょうか。

山積する問題・課題

期待が膨らむ廃線跡地利用ですが、しかし、ドローンを鉄道の軌道上で飛行させるためには多くの課題があります。

空域・遠隔操作・ルート

空域管理の問題

鉄道の廃線上空は、現在は航空法によって管理されていません。

ドローンが上空を飛行するためには、適切な空域管理が必要となります。

ドローンの安全性

ドローンが鉄道の廃線上空を飛行する場合、地上に人がいないかどうか、障害物がないかどうか、十分に確認する必要があります。

また、万が一ドローンが墜落した場合の被害を最小限に抑えるための対策も必要です。

ドローンの遠隔操作

鉄道の廃線上空を飛行するドローンは、遠隔操作によって操縦されることとなります。

遠隔操作の安定性や通信の問題が発生した場合、ドローンの操作が困難になる可能性があります。

また、地上の電波状況に影響される可能性もあります。

飛行ルートの設計

安全かつ効率的なルートを設計する必要があります。

また、ドローンの飛行地上がの施設や住民の生活に影響を与えないようにすることも必要です。

天候・電力・機体そして法律

天候条件の影響

天候条件によって飛行できなくなるのがドローンです。

風が強い場合や雨が降る場合など、飛行可能な環境であるかどうかを常に確認する必要があります。

電力の確保

長時間の飛行、荷物の重量に堪え得る電力を確保するためには、適切なバッテリーの使用や、充電設備の整備などが必要です。

機体の信頼性

高度に信頼性の高い機体が必要です。

特に、遠隔操作で操縦されるドローンの場合、通信エラーやバッテリー切れなどによる機体の停止は大きなリスクとなります。

法律上の問題

鉄道の廃線跡地上空を飛行するドローンは、法律上の規制が必要です。

例えば、航空法に基づく運用規則や、個人情報保護法に基づくプライバシー保護などがあります。

規制を遵守しながら運用する必要があります。

採算性・事業性

このように、解決しなければならない課題は山積しています。

諸課題の解決にはシステムや軌道上の設備等、様々な設備投資は避けて通れないでしょう。

  • 軌道の状態を確認するための監視カメラや障害物を検知するためのセンサー
  • 飛行ルートでの安全な高度や速度や方向を制御するシステム
  • 安全な位置を維持するためのGPSシステム
  • 十分な電力や安定した通信を確保するシステム
  • 安全な着着陸を行うための場所や運航管理要員、、、etc

これらの投資や費用を回収し得るほどの収益が期待できるものなのかどうか、官民ともに知恵の出しどころと言えます。

全国廃線地図

参考記事:ドローン宅配いつから?ラストワンマイル問題

【場所別】熊本県のドローン規制

熊本のドローン禁止条例

熊本のダムで飛ばす

熊本のdidで飛ばす

熊本の灯台で飛ばす

熊本の河川で飛ばす

熊本の文化財(31)空撮

熊本の「港」で飛ばす

熊本の海で飛ばす

熊本の空撮許可は観光協会も

熊本の山で飛ばす

阿蘇くじゅう国立公園を飛ばす

雲仙天草国立公園を飛ばす

熊本の飛ばせる場所と規制

熊本の廃線跡地とレベル4

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