和歌山県の海でドローンを飛ばすには|矢野事務所

和歌山県の海でドローンを飛ばすには|矢野事務所

 

和歌山県の海でドローンを飛ばす場合、航空法上の飛行許可だけでは、実際にその場所で運航できるかどうかは決まりません。

和歌山県は紀伊半島の西側から南端まで長い海岸線を持ち、和歌山下津港、日高港、新宮港などの港湾、白良浜、那智海水浴場、橋杭海水浴場などの海水浴場、多数の漁港があります。

さらに重要なのが自然公園です。
和歌山県の海岸部には、吉野熊野国立公園と瀬戸内海国立公園のほか、白崎海岸県立自然公園、煙樹海岸県立自然公園などが存在します。

特に南紀では、白浜、すさみ、串本、那智勝浦、新宮など、ドローン撮影の対象になりやすい海岸の多くで自然公園との重複確認が重要になります。

したがって、「和歌山県の海だから同じ手続」と考えるのではなく、飛行場所と離着陸場所を具体的に特定し、どの管理区域に該当するのかを確認する必要があります。

この記事では、和歌山県の海・海岸でドローンを飛ばす場合に、どこを確認し、どのように運航条件を整理するのかをまとめます。

和歌山県の海岸は場所ごとの管理確認から始まる

海岸だから一律にドローン飛行が禁止されているわけではありません。

一方で、航空法上の飛行が可能だからといって、海岸を自由に離着陸場所や撮影場所として使用できるという意味でもありません。

和歌山県では、海岸によって和歌山下津港湾事務所や各振興局建設部など、管理を担当する機関が異なります。

そのため、まず飛行場所と離着陸場所を地図上で具体的に特定し、その海岸の管理者を確認します。

海岸に操縦者や補助者を配置する場合、撮影機材を設置する場合、一定範囲を継続的に使用する場合などは、単なる上空飛行とは別に土地や施設の使用方法についても説明が必要になることがあります。
和歌山県|海岸を利用するときは

海岸に関する主な確認先
和歌山市・海南市・有田市の一部
和歌山下津港湾事務所
TEL:073-431-7266
和歌山市
海草振興局建設部 管理保全課
TEL:073-488-5771
海南市
海草振興局建設部 海南工事事務所
TEL:073-483-4824
有田市・湯浅町・広川町
有田振興局建設部
TEL:0737-64-1284
由良町・日高町・美浜町・御坊市・印南町・みなべ町
日高振興局建設部
TEL:0738-24-2931
田辺市・白浜町
西牟婁振興局建設部
TEL:0739-26-7949
すさみ町・串本町
東牟婁振興局串本建設部
TEL:0735-62-0755
太地町・那智勝浦町・新宮市
東牟婁振興局新宮建設部
TEL:0735-21-9654

和歌山県の海岸では自然公園区域の確認が重要

和歌山県の海岸記事で特に重要なのが自然公園です。

和歌山県には吉野熊野国立公園と瀬戸内海国立公園の二つの国立公園があります。

さらに県立自然公園として、白崎海岸県立自然公園、煙樹海岸県立自然公園、西有田県立自然公園など、海岸部に関係する自然公園があります。

自然公園区域だから一律にドローン飛行が禁止されるという意味ではありません。

しかし、自然公園区域内では工作物の設置、土地の形状変更、物の集積などについて許可や届出が必要となる場合があります。

そのため、飛行地点だけを見るのではなく、離着陸場所、操縦者・補助者の配置場所、撮影機材等を設置する場所まで含めて区域を確認します。

白浜・田辺・すさみ・串本では吉野熊野国立公園を確認

和歌山県南部で特に注意したいのが吉野熊野国立公園です。

吉野熊野国立公園の和歌山県域には、田辺市、みなべ町、白浜町、すさみ町、串本町、新宮市、那智勝浦町、太地町などが含まれています。

特に2015年には、田辺南部白浜海岸と熊野枯木灘の両県立自然公園が吉野熊野国立公園へ編入されています。

つまり、白浜から串本、那智勝浦方面の海岸撮影では、「普通の海岸」という認識だけで判断しないことが重要です。

白浜周辺、天神崎、すさみ町の海岸、串本周辺、那智勝浦周辺などでは、実際の飛行地点が国立公園のどの区域に該当するのかを確認します。

吉野熊野国立公園の主な確認先
田辺市・みなべ町・白浜町・すさみ町・串本町の一部
環境省 吉野熊野国立公園管理事務所
田辺管理官事務所
TEL:0739-34-5061
新宮市・那智勝浦町・太地町・串本町の一部
環境省 吉野熊野国立公園管理事務所
TEL:0735-22-0342

串本では海域公園地区まで確認する

串本周辺は、和歌山県の海岸の中でも特に確認項目が多い地域です。

吉野熊野国立公園に加えて、串本周辺の海域には海域公園地区があります。
串本地区は1970年に海中公園地区として指定され、その後の自然公園法改正により現在は海域公園地区と呼ばれています。

さらに周辺海域はラムサール条約湿地にも登録されています。
海域公園地区だからドローン飛行そのものが直ちに禁止されるという整理ではありません。

しかし、海域公園地区では自然環境を保護するため、指定動植物の採捕や海底地形の変更などについて規制があります。

したがって、串本でドローン撮影を行う場合には、単に航空法と海岸管理だけを見るのではなく、国立公園・海域公園地区・土地管理・施設管理を重ねて確認する必要があります。

特に海岸から離着陸し、操縦者や補助者、撮影スタッフを配置する場合には、その場所がどの区域に含まれるのかを確認してから運航条件を組み立てます。

和歌山市の海岸では瀬戸内海国立公園も確認

和歌山県の自然公園確認は南紀だけではありません。
和歌山市には瀬戸内海国立公園があります。

和歌浦地区や加太地区などがその区域に含まれており、紀淡海峡の友ヶ島も瀬戸内海国立公園を代表する場所の一つです。

友ヶ島などで撮影を計画する場合は、島へ渡れることとドローンを運航できることを同じ問題として扱わないことが重要です。

飛行場所、離着陸場所、施設や土地の管理者、自然公園区域をそれぞれ確認します。

瀬戸内海国立公園の確認先
環境省 大阪自然保護官事務所
TEL:06-6881-6504

白崎海岸・煙樹海岸など県立自然公園も確認

国立公園だけを確認すれば終わりではありません。

和歌山県には海岸部に関係する県立自然公園もあります。

代表的なのが白崎海岸県立自然公園と煙樹海岸県立自然公園です。

白崎海岸周辺や煙樹ヶ浜周辺などで撮影する場合には、海岸管理だけでなく県立自然公園区域との関係も確認します。

県立自然公園については、自然公園条例による行為規制が関係する場合があります。

県立自然公園に関する確認先
和歌山県 環境生活部 環境政策局 自然環境課
TEL:073-441-2779
e0326001@pref.wakayama.lg.jp

白良浜など海水浴場では施設管理者も確認

和歌山県には、白良浜、那智、橋杭、田辺扇ヶ浜、すさみ、磯の浦など多くの海水浴場があります。

海水浴場では、海岸そのものの管理者とは別に、市町村や観光関係団体、施設管理者等が利用ルールを設けている場合があります。

したがって、海水浴場で飛行する場合は、実際の海水浴場を特定して、開設者・管理者へドローン利用の可否や条件を確認します。

特に白良浜のように多くの観光客が利用する場所では、管理者への確認だけでなく、第三者との分離状態を現地で維持できるかが重要になります。

管理者から了承を得たことと、安全な運航が成立することは別問題です。

海水浴客や観光客が飛行範囲へ接近した場合に誰が確認し、誰が中止を判断するのかまで決めておく必要があります。
第三者と関係者の整理で運航は決まる|矢野事務所

漁港では港湾とは別に管理者を確認

和歌山県の長い海岸線には多数の漁港があります。

漁港は一般海岸や港湾とは別に管理されているため、「海岸管理者に確認したから終わり」「港湾管理者に確認したから終わり」とは限りません。

漁港でドローンを飛ばす場合には、その漁港の管理者を確認します。
さらに、岸壁、物揚場、漁港施設用地などを離着陸場所や撮影スタッフの配置場所として使用する場合には、その施設の使用条件も確認します。

漁船の出入港、荷さばき、漁業者の作業などがあるため、飛行開始時の状態だけで判断することもできません。

船舶や作業者が飛行範囲へ接近した場合の停止条件まで含めて運航を設計します。

和歌山下津港・日高港・新宮港では港湾管理も確認

和歌山県の港湾で飛行する場合は、一般海岸とは確認方法が変わります。

代表的な港として、和歌山下津港、日高港、新宮港などがあります。
港湾では、岸壁、ふ頭、荷さばき地、緑地などの港湾施設を使用する場合、その施設の管理条件を確認します。

また、船舶の航行、港湾作業、車両、立入制限区域などによって、現地で必要となる安全管理も変わります。
和歌山の「港」でドローンを飛ばす手続き:連絡先リンク

主な港湾の確認先
和歌山下津港
和歌山県 和歌山下津港湾事務所
〒640-8287
和歌山市築港6-22
TEL:073-431-7266
e0825011@pref.wakayama.lg.jp
日高港・新宮港等
和歌山県 県土整備部 港湾空港局
〒640-8585
和歌山市小松原通1-1
TEL:073-441-3155
e0824001@pref.wakayama.lg.jp

河川では国管理と県管理を分けて確認

河川や河川敷についても、河川法にドローン飛行そのものを一律禁止する規定がないという理由だけで自由に使用できるとは限りません。

河川には管理者があります。

撮影、点検、測量などで河川敷を使用する場合には、その利用方法を管理者へ確認します。

和歌山県管理河川については県の河川管理窓口、国管理河川については近畿地方整備局の河川事務所等が確認先になります。

重要なのは、「河川だから県」という判断をしないことです。

実際の河川名と飛行地点を特定して管理者を確認します。

河川に関する主な確認先
和歌山県管理河川
和歌山県 県土整備部 河川・下水道局 河川課
〒640-8585
和歌山市小松原通1-1
TEL:073-441-3134
e0804001@pref.wakayama.lg.jp
国管理河川
国土交通省 近畿地方整備局
和歌山河川国道事務所
〒640-8227
和歌山市西汀丁16
TEL:073-424-2471

航空法の許可と場所管理は別問題

和歌山県の海岸で航空法上の飛行条件を満たしていても、海岸、自然公園、港湾、漁港、海水浴場などの管理条件まで解決したことにはなりません。

反対に、土地や施設の管理者から了承を得ても、航空法上の飛行条件が自動的に満たされるわけではありません。

包括申請についても同じです。
包括申請は、吉野熊野国立公園の区域確認、串本の海域公園地区、白崎海岸などの県立自然公園、港湾施設の使用、漁港管理、第三者との分離などを一括して解決するものではありません。
包括申請でも成立しない飛行とは|矢野事務所

和歌山県の海で必要になる運航管理

和歌山県の海岸では、観光客、海水浴客、釣り人、漁業関係者、船舶など、場所によって現地状態が大きく変わります。

白浜や串本などの観光地では、時間帯によって人の流れも変化します。
港湾や漁港では船舶の入出港や作業状況も変わります。

したがって、飛行開始時に安全だったというだけでは足りません。
第三者との分離状態を維持できるか。

補助者は何を監視するのか。
船舶や観光客が飛行範囲へ接近した場合にどうするのか。

誰が飛行継続を判断するのか。
どの状態になったら中止するのか。
これらを事前に決めておく必要があります。
ドローンは操縦でなく運航管理|矢野事務所

和歌山県の海で飛ばすときの確認順序

最初に、飛行場所と離着陸場所を地図上で具体的に特定します。

次に、その場所が一般海岸、港湾区域、漁港区域、海水浴場、河川などのどこに該当するのかを確認します。

さらに、吉野熊野国立公園、瀬戸内海国立公園、白崎海岸県立自然公園、煙樹海岸県立自然公園など、自然公園区域との重複を確認します。

串本周辺では海域公園地区についても確認します。

そのうえで、航空法上の飛行条件、土地・施設の使用条件、第三者との分離状態、補助者機能、現地利用状況、中止条件を重ねます。

和歌山県の海で問われるのは、「航空法の許可を持っているか」だけではありません。

どの管理区域を使用するのか。
誰に確認するのか。
どの状態を維持するのか。
その状態が崩れたとき誰が中止するのか。

予定した運航がなぜ成立すると判断したのかを後から説明できるところまで整理して、初めて実際の飛行判断につながります。

◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆

法人案件では「飛ばせるか」だけでは進まないことがあります

ドローン運航は、許可が取れるかだけでなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。

  • 第三者管理は維持できますか?
  • 監視体制は機能しますか?
  • 中止判断は定義されていますか?
  • 発注者・関係者への説明は通りますか?

これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まる方向に傾きます。

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