
大雪山国立公園の運航成立条件|矢野事務所
大雪山国立公園でのドローン飛行は、「自然公園法を確認すれば進む」と思われがちです。
しかし実務では、その理解のまま進めると成立しない場面があります。
問題は規制の有無ではなく、「どの管理区分で、どの条件なら運航が成立すると言えるか」を整理できているかです。
大雪山で詰まりやすいのは、次のような構造です。
- 道有林と国有林の区分を見落とす
- 入林手続を飛ばす
- 登山者・観光客の流入を前提にしていない
- 「広い自然=安全」と誤認する
- 第三者状態維持を考えていない
本記事では、大雪山国立公園で実務が成立しにくくなるポイントと判断基準を整理します。
このページで分かること
大雪山は森林区分で成立性が変わる
大雪山国立公園では、独自のドローン規制よりも、
- 道有林
- 国有林
の違いで運用が分かれます。
つまり、場所の把握ができていないと、その時点で運航設計が成立しません。
大雪山案件は許可取得ではなく運航成立性の整理が重要です。
大雪山では森林区分、入林、人流管理を一体で整理しなければ運航は成立しません。
まずは管理事務所へ事前連絡
大雪山では、ドローン飛行に関する案内が明示されています。
TEL:01658-2-2574
東川管理官事務所
TEL:0166-82-2527
上士幌管理官事務所
TEL:01564-2-3337
ただし、ここで終わりません。
大雪山は「誰に聞くか」ではなく「どこに当たるか」が本質です。
道有林は申請が必要になるエリア
道有林では、次の手続が求められます。
- 事前連絡
- 入林承認申請書
- 飛行実施申出書
TEL:050-3160-5750
旭岳ビジターセンター周辺などはこの対象です。
国有林では入林確認が前提になる
国有林では、原則として入林届が必要です。
- 入林届提出(1週間前目安)
- 第三者のいない上空での飛行
- 事故時の報告義務
ここを飛ばして現場入りすると、その場で計画が崩れます。
ただし、入林届を出しただけで運航が成立するわけではありません。
離着陸場所、補助者配置、第三者管理、緊急時対応まで整理する必要があります。
登山者・観光客で成立性が変わる
大雪山で多い誤解です。
- 人が少ない → OK
ではありません。
実際には、
- 登山者
- 縦走者
- 観光客
が流動的に存在します。
第三者管理が成立しない場合、許可があっても運航は成立しません。
第三者状態維持が問われる場所
大雪山では、登山者や観光客が固定的に存在しているわけではありません。
問題は人数ではなく、飛行中に第三者状態を維持できるかです。
登山道、展望台、ロープウェイ周辺では、飛行開始時に問題がなくても途中で人が流入することがあります。
そのため、
- 誰が監視するのか
- どの範囲を管理するのか
- どの状態で中止するのか
- 誰が停止判断するのか
まで決めておく必要があります。
で解説しているように、重要なのは第三者の有無ではなく、第三者状態維持です。
乗入れ規制で成立しないケース
大雪山では車両規制があります。
- 機材搬入不可
- ロケハン制限
運べないということは、飛ばせないという現実的制約につながります。
運航計画では搬入経路や機材運搬も設計対象です。
美瑛町は別ルールで判断が変わる
大雪山周辺の美瑛町では、独自規制があります。
- 原則ドローン禁止
- 許可+地権者同意が必要
同じエリアでも別ルールが混在します。
そのため、大雪山という名称だけで判断すると整理を誤ります。
運航管理と中止判断の整理
大雪山では、飛行許可や管理者確認だけで案件は成立しません。
天候変化、登山者流入、搬入制約、通信環境などによって、現地で判断を求められる場面が発生します。
そのため、
- 誰が継続判断するのか
- 誰が中止判断するのか
- 補助者は何を監視するのか
- どの条件で撤収するのか
まで整理しておく必要があります。
でも解説しているように、操縦と運航管理は別問題です。
判断内容を文書化しておく必要
大雪山のような山岳環境では、現地判断だけに依存すると事後説明が困難になります。
森林区分、入林確認、第三者管理、搬入計画、停止条件などを事前に整理し、文書として残しておくことが重要です。
で解説しているように、文書化は事務作業ではなく運航成立性を支える設計です。
まとめ
- 大雪山は森林区分で判断が分かれる
- 道有林・国有林で手続が異なる
- 入林確認を飛ばすと現場で成立しない
- 第三者状態維持が重要になる
- 搬入計画や人流管理も運航設計の一部である
- 誰が止めるのかを決めておく必要がある
- 判断内容は文書化して残す必要がある
大雪山では、「飛ばせるか」だけを見ても答えは出ません。
重要なのは、森林区分、人流、搬入条件、第三者状態維持を含めて運航として成立するかです。
◆ドローン運航は『事後説明』を前提に設計する◆
許可があっても、現場で止まる案件は少なくありません
ドローン運航は「許可が取れるか」ではなく、現場で最後まで成立するかで判断する必要があります。
- 第三者管理は維持できますか?
- 監視体制は機能しますか?
- 中止判断は定義されていますか?
- 関係者への説明は通りますか?
これらが整理されていない案件は、許可があっても現場で止まります。
※飛行許可申請「のみ」のご相談にも対応しています
