ドローン飛行日誌の義務以上の価値:矢野事務所

ドローン飛行日誌の義務以上の価値

 

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ドローンを安全かつ適法に飛行させるためには、様々なルールを遵守する必要があります。

その中でも「飛行日誌」は、単なる記録文書ではありません。

航空法によってその備え付けと記載が義務付けられているだけでなく、ドローンの「自己責任」飛行を支える重要な構成要素であり、さらには「飛行事業の証明」としての価値をも持ちます。

Xでも触れましたが、飛行日誌はきちんと作成されると、まるで「操縦者の知性」とさえ思えてきます。

令和4年12月に制定された国土交通省の「無人航空機の飛行日誌の取扱要領」があり、この要領を見ると、当時から将来の「自己責任飛行」を見据えていたと思わせるほど、丁寧に詳述されています。

飛行日誌とは?その目的と種類

「飛行日誌」とは、航空法第132条の89および航空法施行規則第236条の84に基づき、操縦者が備え、記載しなければならない記録のことです。

  • 目的
    飛行、点検、整備の状況を適切に記録し、万が一不安全事象が発生した場合の原因特定や要因分析に活用することで、飛行の安全に資すること。
  • 推奨
    法的に記載が義務付けられていない飛行(法第132条の87に規定する特定飛行を行わない場合)であっても、本要領に沿って日誌による記録を行うことが推奨されています。

飛行日誌は、以下の3つの記録で構成されます。

  1. 飛行記録
    無人航空機を飛行させた都度、飛行の実績(飛行日時、目的、経路、時間など)を記載するもの。
  2. 日常点検記録
    飛行させる前に行う飛行前点検等の日常点検の結果を記載するもの。
  3. 点検整備記録
    定期的な点検整備や改造を行った都度、その内容を記載するもの。

飛行日誌の「自己責任」と「証明」

飛行日誌は、単なる形式的な記録ではありません。

許可・承認手続きの簡素化が進み「自己責任」が強調されるドローン運用において、日誌はまさにその「自己責任」飛行の重要な構成要素となります。

  • 「自己責任」の具現化
    行政の審査が簡素化された分、運航者が自ら安全を証明する責任を負います。日誌は、その責任を果たすために、自身が安全手順を遵守していることを示す具体的な証拠となります。
  • 「飛行事業の証明」としての価値
    事故発生時や当局による監査時、日誌は飛行の実績、点検状況、安全管理体制が適切であったことを証明する、極めて重要な資料となります。保険請求時や、事業の信頼性を対外的に示す際にも、正確に記載された日誌は大きな役割を果たします。
  • 「操縦者の知性」の反映
    日誌の記載が正確で、細部にまで注意が払われていることは、操縦者の安全意識、責任感、そしてプロとしての知性を反映します。単なる義務ではなく、自身のプロフェッショナルとしての品質を示すものと言えるでしょう。

飛行日誌の記載と保管は、無人航空機が登録されている間は継続する義務があります

所有者や使用者の変更があった場合も、記録を確実に受け渡しすることが求められます。

各記録の具体的な記載事項

国土交通省の取扱要領には、各記録に記載すべき事項が詳細に示されています。

  • 飛行記録:
    • 飛行年月日、操縦者の氏名・技能証明書番号。
    • 飛行の目的・経路、飛行禁止空域・方法。
    • 離着陸場所・時刻、飛行時間、製造後の総飛行時間。
    • 飛行の安全に影響のあった事項の有無とその内容、不具合とその対応。
    • 無人航空機の登録記号、種類、型式、製造者、製造番号。
  • 日常点検記録:
    • 実施年月日・場所・実施者、点検項目ごとの結果(正常/異常)、特記事項。
    • 型式認証を受けた機体の場合、その整備手順書に含まれる項目に従います。
  • 点検整備記録:
    • 点検整備等を実施した者により記入。
    • 実施年月日・場所・実施者、点検・修理・改造・整備の内容(交換部品名を含む)、実施理由、最近の機体認証後の総飛行時間。

これらの記録は、日本語または英語により黒色または青色のインクを用いたボールペン等で正確に記入し、電磁的な記録及び保管も可能です。

日誌の運用と管理の注意点

飛行日誌の運用と管理には、いくつかの重要な注意点があります。

  • 様式の利用
    基本的に要領で定める様式1~3またはこれに相当するものを使用します。記載内容が網羅されていれば、必要に応じて項目を追加することも可能です。
  • 携行義務
    操縦者は無人航空機を飛行させる場合、飛行日誌を紙媒体または電磁的記録により常時携行し、確認事項が発生した際に参照または提示が可能な状態にしておかなければなりません。直近の点検整備以降の飛行記録や日常点検記録の携行も求められます。
  • 機体ごとの管理
    飛行日誌は、無人航空機の機体ごとに備え、記載・保管する義務があります。一つの操縦装置で複数機を操縦する場合や、複数の操縦装置で複数機を操縦する場合も同様です。
  • 適切な保管
    飛行日誌は、失ったり、破ったり、汚したりしないよう適切に管理し、使用者の責任において保管する義務があります。
  • 複写の活用
    飛行記録や点検記録の記録面を複写し、操縦者個人の飛行時間の管理や経歴を示すものとして活用することも可能です。

まとめ

飛行日誌は、単なる航空法上の義務を超え、自己責任原則下の安全運航を構成する重要な要素であり、ドローン事業の信頼性や操縦者の知性をも証明するものです。

国土交通省の取扱要領を熟読し、正確かつ適切に飛行日誌を作成・管理することは、法令遵守だけでなく、ドローンの安全な社会実装に貢献するプロフェッショナルとしての証であると言えるでしょう。

日々の飛行において、飛行日誌の作成・管理を徹底することが、ドローン産業の信頼を高め、その持続的な発展を支える基盤となります。

 

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