
ドローン許可申請|目視外の条件が厳しい理由
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【目視の内外では】その許可条件がこれほどまで…というくらい違います。高高度では日数制限の有無、また先日などは二等技能者の方が申請された目視「内」の「夜間DID」ですら経路図添付なしで補正なし一発許可が出ました。改めて目視外の潜在危険度や技能難度が高く、故の条件の厳しさを痛感です。
— drone高難度申請 矢野事務所 (@drone_nippon) August 23, 2025
このページで分かること
目視外は当たり前ではない
目視外飛行はもはやドローンの通常の飛行方法として定着しています。
ほとんどの方が行っている飛行方法であり、農業や測量、インフラ点検、物流など、ドローンの可能性を大きく広げる魅力的な飛行方法です。
ある意味では、ドローンを象徴する飛行方法ともいえます。
ただし、飛行許可・承認手続きにおいては、その飛行方法が「目視内」か「目視外」かによって、その審査の厳しさや求められる条件が大きく異なることをご存知でしょうか。
先日も、二等無人航空機操縦士の技能証明をお持ちの方が申請された、目視「内」での夜間・人口集中地区(DID)飛行が、飛行経路の図面添付すら求められず、補正指示なしで許可された事例がありました。
一方で、目視「外」飛行の許可条件は非常に厳格です。
この差はどこから来るのでしょうか。
今回は、ドローンの安全運用の要ともいえる「目視」の定義に立ち返りながら、なぜ目視外飛行の許可条件がこれほどまでに厳しいのか、その理由と具体的な条件の違いについて詳しく解説していきます。
「目視」の定義を再確認
まず、全ての基本となる「目視」の定義について正確に理解しておく必要があります。
なんとなく「肉眼で見える範囲」と捉えがちですが、航空法ではより厳密に定められています。
航空法が定める「目視」とは
国土交通省が公表している「無人航空機に係る規制の運用における解釈について」には、「目視」について次のように記されています。
ここで、「目視」とは、操縦者本人が自分の目で見ることをいうものとする。このため、補助者による目視は該当せず、また、飛行状況を専らモニターを用いて見ることまた双眼鏡やカメラ等を用いて見ることは、視野が限定されるため「目視」にはあたらない。
重要なポイントは「操縦者本人が自分の目で見る」という点です。
つまり、隣にいる補助者が機体を見ていても、それは操縦者自身の「目視」にはなりません。
また、ドローンに搭載されたカメラからの映像をモニター(プロポの画面など)で確認するFPV(First Person View)飛行も、視野がカメラの画角に限定されてしまうため、原則として目視外飛行に分類されます。
ただし、安全な飛行のためにバッテリー残量などを確認する目的で、一時的に機体から目を離してモニターを確認する行為は、目視飛行の範囲内とされています。
なぜ「目視」が重要なのか
では、なぜこれほどまでに操縦者自身の「目視」が重要視されるのでしょうか。
それは、機体の位置や姿勢、速度を三次元的に正確に把握し、周囲の障害物や他の航空機、人の存在などをリアルタイムで確認しながら安全に操作するための、最も確実で基本的な手段だからです。
モニター映像だけでは、距離感や速度感が掴みにくく、またカメラの死角にある危険を察知することもできません。
安全運用の根幹をなすのが、この「目視による常時監視」という訳です。
目視内と目視外|許可条件の具体例
この「目視」という原則から外れる目視外飛行が、いかに特別な飛行方法であるか、具体的な許可条件の違いから見ていきましょう。
目視「内」飛行の許可事例
冒頭で触れた「二等技能証明保持者による目視内での夜間・DID飛行」の事例は、目視内飛行のリスクの低さを象徴しています。
このケースでは、操縦者が国家資格を保有していることに加え、飛行が「目視内」で行われることから、航空局は飛行経路のリスクが比較的低いと判断し、詳細な経路図の提出を省略しても安全が確保できると認めたものと考えられます。※全ての目視内のケースが同様だとは限らないことに注意です。
このように、目視内飛行は、安全確保の根幹が維持されていると見なされ、他の条件(夜間やDIDなど)が加わったとしても、手続きが比較的スムーズに進む傾向があります。
目視「外」飛行で厳しくなる条件
一方、目視外飛行の許可・承認を得るためには、目視内飛行では求められない、数々の厳しい追加条件をクリアしなければなりません。
機体要件の厳格化
目視外飛行では、操縦者が直接機体を見られない状況をカバーするため、機体そのものに高い安全性能が求められます。
具体的には、機体に搭載されたカメラ等によって、進行方向の状況を常に把握できることや、万が一の事態に備えたフェールセーフ機能(電波途絶時に自動帰還するなど)が確実に作動することが必須条件となります。
操縦者・体制の要件
操縦者には、目視外飛行に関する十分な訓練実績が求められます。
また、原則として、機体の周辺や飛行経路上の安全を確認するための「補助者」の配置が義務付けられます。
補助者を配置しない場合は、さらに高度な機体性能や安全対策(例えば、飛行経路を監視するカメラの設置など)が必要となり、審査のハードルは一層高くなります。
飛行マニュアルの充実
許可申請の際に提出する「無人航空機の飛行に関する許可・承認に係る申請書」には、飛行の場所や方法によっては安全運航のための体制や手順を記載した独自の飛行マニュアルを添付することが義務となる場合があります。
目視外飛行を行う場合も場所や飛行方法によっては、このマニュアルに、通信途絶時やGPSロスト時の具体的な対応手順、緊急着陸場所の設定、補助者との連携方法など、目視外飛行特有のリスクを想定した、より詳細かつ具体的な安全確保措置を記載する必要があります。
飛行期間の制限
通常は「目視外飛行」でも、包括的な許可・承認は1年間の有効期間で取得できます。
しかし、高高度の飛行や広範囲にわたるインフラ点検など、リスクが高いと判断される目視外飛行においては、安全性を慎重に確認するため、許可される期間が3ヶ月や6ヶ月といった短期間に制限されることがあります。
なぜ目視外飛行は厳しいのか
これらの条件の違いは、ひとえに目視外飛行が内包する「潜在的な危険性の高さ」に起因します。
潜在的な危険性の高さ
操縦者が機体を直接見ることができない状況では、以下のようなリスクが格段に高まります。
- 障害物との衝突
電線や看板、樹木の枝といった、モニターでは認識しづらい障害物との衝突リスクが増大します。 - 他の航空機との接近
ヘリコプターや他のドローンなど、接近してくる他の飛行物体を早期に発見することが困難になります。 - 機体異常の未発見
機体から煙が出ている、プロペラから異音がするなど、目視であれば気づけるはずの機体の異常を察知するのが遅れます。 - 緊急時の対応困難
GPSの電波を失ったり、通信が途絶したりした場合、機体が現在どこを向いて、どちらに飛んでいるのかを即座に把握し、立て直すことが極めて難しくなります。
求められる高度な操縦技能
こうしたリスクに対処するため、目視外飛行の操縦者には、モニターからの情報だけで機体の状態を正確に把握し、精密に操作する高度な空間認識能力と操縦技能、そして冷静な判断力が求められます。
これは、目視飛行とは全く異なる次元のスキルセットであり、だからこそ、国は厳しい訓練実績や安全管理体制を要求しているのです。
まとめ
ドローンの目視内飛行と目視外飛行における許可条件の大きな隔たりは、安全確保という観点から見れば、極めて合理的かつ必然的なものです。
目視外飛行は、ほとんどの方が行っている飛行方法であり、農業や測量、インフラ点検、物流など、ドローンの可能性を大きく広げる魅力的な飛行方法です。
ある意味では、ドローンを象徴する飛行方法ともいえます。
しかし、その裏には常に高いリスクが伴います。
これから目視外飛行に挑戦しようとお考えの方は、これらの厳しい条件が何のために存在するのかを深く理解し、機体性能の確認、徹底した訓練、そして万全の安全管理体制の構築といった入念な準備をもって臨むことが不可欠です。
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