
ドローンの飛行計画書というと、「許可申請に添付する書類」というイメージを持たれている方は少なくありません。
しかし、実務を重ねるほど、私はこの考え方に違和感を持つようになりました。
飛行計画書は、申請書ではありません。
この違いを意識しないまま書かれた計画書は、許可は通っても、現場や事後対応で必ず行き詰まります。
このページで分かること
申請書と飛行計画書は、目的が違う
まず整理しておきたいのは、申請書と飛行計画書は目的がまったく異なるという点です。
申請書の目的
- 行政に対し、法令上の可否を判断してもらう
- 要件を満たしていることを示す
飛行計画書の本来の役割
- 現場での判断を支える
- 関係者に説明する
- 事後に「なぜそう判断したか」を示す
申請書は「通す」ための書類ですが、飛行計画書は運用に耐えさせるための書類です。
申請を意識すると何が欠けるのか
飛行計画書を「申請の添付資料」として書いてしまうと、次のような点が抜け落ちやすくなります。
- なぜ、この方法で飛ばす必要があるのか
- どこで中止判断をするのか
- 誰が最終判断者なのか
これらは、申請書としては必須ではありません。
しかし現場では、必ず問われるポイントです。
法人・自治体の方へ
人が集まるイベントや式典でのドローン飛行では、「許可が取れている」だけでは説明が足りないケースが多くあります。
飛行計画書が向いている相手は誰か
飛行計画書を読むのは、行政だけではありません。
- 現場の運航管理者
- 操縦者・補助者
- 主催者・管理者
- 警察・第三者
そして、事故やトラブルが起きた後には、「関係していなかった人」が読む可能性もあります。
そのとき問われるのは、「なぜ、その判断をしたのか」という一点です。
人文字案件で気づいた「書類の役割」
2025年12月に行った人文字案件では、当初、私は「許可を得るための飛行計画書」を書いているつもりでした。
しかし、完成した計画書を読み返してみると、そこに並んでいたのは、申請を通すための言葉というより、後から説明するための文章でした。
これは思想の問題ではなく、書類の役割に対する認識の違いだったと、後から気づきました。
飛行計画書は「判断の履歴」を残す文書
飛行計画書は、行動を説明する書類ではありません。
判断の履歴を残す書類です。
なぜこの方法を選んだのか。
どこで線を引いたのか。
何をしたら中止すると決めたのか。
それらを事前に言語化しておくことで、現場の判断が迷わなくなり、事後の説明にも耐えられる文書になります。
行政書士 矢野法務事務所
ドローン飛行許可申請を前提としつつ、「許可を取った後の説明」「現場判断」「事後対応」まで含めた実務設計を重視しています。
だから、時間も価格も違ってくる
飛行計画書を「申請書」として扱えば、短時間で、安く作ることもできます。
しかし、判断の履歴まで含めて整理しようとすれば、検討すべきことは自然と増えます。
それは手間をかけているからではなく引き受けている責任の範囲が違うからです。
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【免責事項】
本記事は、ドローン飛行に関する法令・実務上の考え方を一般的に解説するものであり、特定の案件に対する法的助言、許可取得の保証、事故防止の保証を行うものではありません。実際の飛行にあたっては、個別の状況・関係法令・行政機関の判断等を踏まえ、最終的な判断と責任は実施者にて行ってください。
























