自治体ドローン運用で重要な運航管理者の役割等:矢野事務所

自治体ドローン運用で重要な運航管理者の役割等:矢野事務所

 

🔎 実務解説(事例編)

イベントや催し場所上空など、高リスク運航において運航管理者を中心とした安全管理体制がどのように文書化・運用されているのかを解説しています。

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花火大会ドローン運用での運航管理者の責任

近年、ドローン(無人航空機)は、災害対応、インフラ点検、巡視、環境調査など、自治体業務のさまざまな分野で活用が進んでいます。

一方で、ドローンは公共空間の上空を飛行し、第三者や有人航空機と空域を共有する特性を有しており、安全管理が不十分な運用は重大事故や行政責任につながりかねません。

こうした背景から、自治体がドローン業務を委託・実施する際には、「誰が運航全体の安全を統括するのか」という視点が極めて重要になります。

本記事では、自治体がドローン運用において重視すべき「運航管理者」の役割と、その不在がもたらす行政リスクについて、行政書士の視点から整理します。

法人・自治体案件のご担当者さまへ
業務での飛行は「飛ばせるか」だけでなく、飛行可否判断/通報設計/説明整理が必要になる場合があります(個人のご相談も可)。

運航管理者とは何者か

キーワードは「運航管理者」です。

運航管理者とは、ドローン運航における安全管理全体を統括する責任者であり、単なる操縦者や現場責任者とは異なります。

具体的には、以下のような事項について最終的な判断権限と責任を担う存在です。

  • 飛行計画の立案・承認
  • 気象・空域・第三者リスクを踏まえた運航可否判断
  • 緊急時の中止・着陸・連絡判断
  • 運航記録・インシデントの管理と再発防止

つまり運航管理者は、「個々の操縦の巧拙」ではなく、運航全体を俯瞰した安全判断を行う管理職的役割を担います。

運航管理者に求められる主な能力

区分内容
運航計画管理気象、地形、第三者密度、空域条件を踏まえた計画立案・承認能力
リスクマネジメント潜在的リスクの洗い出しと、適切な低減措置の設計・判断
緊急時対応通信断、暴走、墜落等の異常時における即時判断と指揮
法令理解航空法、電波法、個人情報保護法等を踏まえた運用判断

これらは、単に「操縦経験がある」だけでは担えない役割であり、明確に管理者として位置付けられた人材が必要となります。

運航管理者が不在の場合に生じる行政リスク

運航管理者を明確に置いていない場合、次のような問題が生じやすくなります。

  • 飛行可否判断が操縦者個人に委ねられ、判断基準が不明確になる
  • 緊急時の指揮命令系統が曖昧になり、対応が遅れる
  • 事故発生時に、自治体としての説明責任を果たしにくくなる

これは技術的な問題にとどまらず、行政のリスク管理・責任追及・住民説明に直結する重要な論点です。

委託先に確認すべき要点

ある意味、ここが最も大事な点かと考えられます。

起用する事業者の能力です。

自治体ではドローンの運航自体は事業者に委託するケースが多いですが、その事業者を選定・評価する際には、以下の点が体系的に整備されているかを確認することが非常に重要です。

  • 運航管理者の選任と権限の明確化
  • 運航規程・安全管理規程の文書化
  • リスク評価書・飛行計画書の整備
  • 緊急時対応マニュアルの有無
  • 運航・整備・異常時の記録体系

これらが文書として整理されていない事業者は、安全管理が属人的である可能性が高く、委託先としての適格性に慎重な判断が必要です。

地域の安全文化と自治体の役割

ドローン運用は単発業務ではなく、継続的に行われる行政活動の一部となりつつあります。

そのため自治体には、単に業務を外注するのではなく、地域全体の安全文化を醸成する主体としての役割が求められます。

運航管理者を中心とした事業者との協働体制を構築することは、行政リスクの低減だけでなく、住民からの信頼確保にも直結します。

行政・自治体案件に関するご相談

自治体業務におけるドローン運用では、「誰が安全責任を負うのか」「どこまで文書化すべきか」といった点が、後から大きな問題になることを避けなければなりません。

本記事で解説したような運航管理体制の整理委託仕様書・要求水準における安全管理の考え方について、行政書士として実務の視点から整理・確認のご相談に対応しています。

すでに検討中の案件についての事前確認や、「この体制で問題ないか」といった段階でのご相談も可能です。

👉 行政・法人向け相談フォームはこちら

※ 本記事は、ドローン関連法令および行政実務を扱う行政書士が、自治体業務における安全管理・運航体制の整理を目的として執筆しています。

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※ 本サイトの内容は、ドローン関連法令および行政実務を扱う行政書士が執筆・監修しています。法人・自治体向けのWebコンテンツ、提案資料、運用マニュアル等について、法令・運用観点からの監修・レビューのご相談にも対応しています

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