
花火大会ドローン運用での運航管理者の責任:矢野事務所
近年、花火大会や地域イベントにおいて、ドローンを活用した空撮・記録映像の需要が高まっています。
一方で、花火大会のドローン運航は、夜間飛行・目視外飛行・多数の第三者が存在する環境が重なる、極めてリスクの高い運航形態でもあります。
こうした業務を自治体が主催・委託する場合、単に許可・承認の有無だけでなく、「誰が運航全体の安全を統括しているのか」という体制面の確認が不可欠です。
本記事では、花火大会における実際の運航計画書を踏まえながら、自治体が確認すべき運航管理者の役割と安全管理体制の実務ポイントを整理します。
このページで分かること
花火大会ドローン運航の特性とリスク
花火大会におけるドローン飛行は、以下の特徴を併せ持ちます。
- 夜間(日没後)の飛行
- 操縦者から機体を直接確認できない目視外飛行
- 観覧客・周辺住民が多数存在する第三者上空
- 高度150m以上の上空飛行を伴うケース
これらが重なることで、通常の包括申請では対応できず、個別の飛行計画と高度な安全管理体制が求められます。
自治体にとって重要なのは、「飛ばせるかどうか」ではなく、「そのリスクを誰が・どの体制で管理しているか」という点です。
運航管理者が担う具体的な役割
花火大会のような高リスク運航において、運航管理者は現場全体の安全判断を統括する責任者として位置付けられます。
具体的には、次のような判断・管理を行います。
- 飛行計画(高度・ルート・時間帯)の最終承認
- 気象条件や風況を踏まえた当日の運航可否判断
- 有人航空機(消防・警察・ヘリ等)との空域調整
- 立入禁止区画・補助者配置など地上安全管理の統括
- 通信断・異常時の中止判断および指揮命令
これは操縦者個人の経験に委ねるべきものではなく、管理者として明確に権限を持つ者が担う必要があります。
地上安全管理の具体例(花火大会)
実際の運航計画書では、地上安全管理について次のような措置が文書化されます。
- 飛行経路下における立入禁止区画の設定
- 道路・通路へのバリケード設置および看板表示
- 補助者を配置し、車両・歩行者の進入を制限
- 立入禁止区画内の建物について事前確認を実施
- 飛行中も第三者の進入がないか継続監視
これらは単なる「注意喚起」ではなく、事故発生時に自治体が説明責任を果たすための根拠となる重要な安全措置です。
有人航空機との衝突リスク管理
花火大会では、消防・警察・報道ヘリ等の飛行が想定されるため、有人航空機との衝突リスク管理が極めて重要になります。
実務上は、
- 空港制限表面内該当の有無確認
- 管轄空港事務所への事前連絡
- 飛行日時・許可番号の事前共有
- 変更・中止時の即時連絡体制
といった調整体制を、運航管理者が中心となって構築します。
自治体が委託先に確認すべき実務ポイント
自治体が花火大会のドローン業務を委託する際には、次の点が文書として整理されているかを確認すべきです。
- 運航管理者の選任と権限の明確化
- 夜間・目視外・第三者上空を前提とした運航規程
- 立入管理措置および補助者配置計画
- 緊急時の中止判断基準と連絡フロー
- 運航・安全対策に関する記録体系
これらが整備されていない事業者は、安全管理が属人的である可能性が高く、慎重な判断が求められます。
運航管理者を軸とした安全文化の構築
花火大会のドローン運航は、単発業務ではなく、今後も継続的に実施される可能性があります。
そのため自治体には、運航管理者を中心とした安全管理体制を評価・確認する視点が求められます。
これは行政リスクの低減であると同時に、住民からの信頼確保にも直結する重要な判断です。
行政・自治体案件に関するご相談
花火大会やイベント上空におけるドローン運用では、運航管理体制や文書化の不足が、後から問題になるケースが少なくありません。
運航管理者の位置付け、安全管理体制の整理、委託仕様書・要求水準の検討などについて、行政書士として実務の視点からのご相談に対応しています。
※ 本記事は、ドローン関連法令および行政実務を扱う行政書士が、自治体業務における安全管理・運航体制整理を目的として執筆しています。
【ドローン専門行政書士によるサポート】
レベル3/3.5飛行、建設現場の安全体制構築、夜間・目視外飛行、イベント上空、空撮、揚重ドローン実証支援、補助金(ものづくり補助金)まで幅広く対応しています。
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