「レベル4で飛ばせ」その要求は違法です、、:矢野事務所

「レベル4で飛ばせ」その要求は違法です、、:矢野事務所

 

このように、ドローンを活用したビジネスが拡大する一方で、法令に関する知識不足から、クライアントによる不当な飛行要求に直面するケースがあります。

特に、無許可で特定飛行を求める「素人の無知」は受注する側のドローン事業者にとって深刻な問題です。

以下に、このような要求がなぜ無謀なのかその理由や背景を挙げ、その違法性、事業者側の対応策、そして業界全体で共有すべきリスクについて解説します。

法人・自治体案件のご担当者さまへ
業務での飛行は「飛ばせるか」だけでなく、飛行可否判断/通報設計/説明整理が必要になる場合があります(個人のご相談も可)。

その危険性と違法性

提示された事例にある「レベル4で飛ばせ」という要求は、ドローン操縦者や事業者にとって極めて危険であり、明確な航空法違反に該当する可能性が高いものです。

レベル4飛行の厳格な条件

レベル4飛行とは、「第三者上空での補助者なし目視外飛行」を指し、ドローンの飛行リスクが最も高いとされる形態です。この飛行が許可されるには、以下の厳格な条件をクリアする必要があります。

  • 第一種型式認証を受けた機体の使用
  • 一等無人航空機操縦者技能証明の保有
  • 飛行経路の限定環境整備など、極めて詳細かつ具体的な安全対策計画の策定

現状、レベル4飛行は、その安全基準の高さから実運用されている事例はごく限られています。

一般には「ない」と言っても良いでしょう。

従って一般的な業務で「レベル4で飛ばせ」という要求そのものは、これらの条件を無視した法令違反を前提としたものとなる訳です。

無許可飛行の重大性

更に、Xの事例にある「施設管理者の許可も取れてないDIDでの飛行」はこれも複合的な違法行為を含みます。

  • DID地区(人口集中地区)での飛行
    人口が密集する地域でのドローン飛行は、万一の機体トラブルや操縦ミスが発生した場合に、地上の第三者に甚大な被害を及ぼす可能性が高いため、航空法により原則として国土交通大臣の許可が必要です。無許可でのDID地区飛行は、航空法違反(50万円以下の罰金)に該当します。
  • 施設管理者の許可
    飛行場所が公共施設、私有地、民間施設であるかを問わず、その土地や施設の管理者の許可を得ることは、民法上の権利問題や安全管理上の責任に関わるため、必須です。国土交通大臣の飛行許可承認を受けていても、管理者の許可なく飛行することできません。トラブルの元となるだけでなく、不法侵入や損害賠償請求に発展する可能性も生じてきます。

このような背景の中で、その条件を満たさずに「レベル4で飛ばせ」と要求することは、危険な飛行と明確な航空法違反を強要する行為に他ならず、それを強要するクライアントから「違反せよ」と言われているに等しいことです。

不当な要求への対処法

クライアントからの不当な要求に直面した場合、ドローン事業者側は法令遵守を最優先し、毅然とした態度で対処する必要があり、またそれしかありません。

法令の明確な説明

まず当たり前のことですが、その要求がなぜ法的に不可能(または極めて困難)なのか、航空法や関連法規を根拠に、冷静かつ客観的に説明することが重要です。

感情的にならず、プロフェッショナルとしての知識と責任をもって対応します。

  • 具体的にどの法律のどの条文に違反するか
  • 無許可飛行による具体的な罰則(50万円以下の罰金、国家資格者の25点減点・資格取消しなど)
  • 万一の事故時の損害賠償責任や事業者としての信用失墜リスク

これらを具体的に提示し、クライアント側にも法的リスクが及ぶ可能性を理解してもらうようにします。

事前の明確な合意

業務を受注する前に、飛行場所、飛行方法、期間、安全対策などを十分に確認し、法令遵守を前提とした業務内容であることを、契約書や覚書等で明確に取り交わすことが極めて大事になってきます。

これが、後から不当な要求があった場合の反証となります。

「黙殺」という最終手段

法規制をいくら説いても理解が得られず、不当な要求が執拗に繰り返される場合、最終的にはその案件を辞退するか、クライアントとの関係を断つという判断も必要となり、最悪はそうせざるを得ません。

事例にあるように、トップの方が「電話に出るな」と厳命した背景には、これ以上関係を続けることが、自社の法的リスク、従業員の安全、そして事業としての信用を著しく損なうと判断したからに他なりません。

これは、法令遵守を徹底し、企業としての健全性を保つための最終かつ必要な手段です。

業界の健全化に向けて

このような「素人の無知」がもたらす問題は、ドローン産業全体の健全な発展を阻害していきます。

法令を遵守する真面目な事業者が不利益を被ることを防ぎ、ドローンの社会実装を安全に進めるためには、業界全体での意識向上が不可欠です。

ドローン事業者側は、クライアントへの丁寧な法規制の説明と啓蒙活動も「業務の一部」として捉える必要があります。

また、クライアント側も、ドローン事業者へ業務を依頼する際は、その専門性と法規制への理解を尊重し、無理な要求が双方にとって不利益になることを認識すべきです。

ドローンに関する法令や許可申請に関して疑問や不安があれば、国土交通省の公式情報を確認するか、専門家(行政書士など)に相談することを強く推奨します。

【ドローン専門行政書士によるサポート】

レベル3/3.5飛行、建設現場の安全体制構築、夜間・目視外飛行、イベント上空、空撮、揚重ドローン実証支援、補助金(ものづくり補助金)まで幅広く対応しています。

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