ドローン申請不要の瞬間、DIPSが示す信頼:矢野事務所

ドローン申請不要の瞬間、DIPSが示す信頼

 

法人・自治体案件のご担当者さまへ
業務での飛行は「飛ばせるか」だけでなく、飛行可否判断/通報設計/説明整理が必要になる場合があります(個人のご相談も可)。


ドローンの飛行許可申請手続きは、かつて複雑で時間を要するものであり、多くの操縦者や事業者にとって大きな負担でした。

しかし、国土交通省のドローン情報基盤システム(DIPS)の進化により、特定の条件下では、驚くほど迅速に「許可申請不要」の判定を受けられるようになりました。

これは単なる手続きの簡素化に留まらない、行政のドローン運用に対する深い信頼の表れと言えます。

Xに投稿したように、DIPSの飛行許可申請を進める中で、特定の選択肢で進むと、瞬時に「飛行計画の通報へ」と案内される場面に遭遇します。

それはまさに、「最初の画面で飛行の場所や方法、立入管理措置等を選び、技能者+認証機?…の段階でYESと答え、最後に25kg未満を選ぶと、次のカテゴリー画面では早くも飛行計画の通報が案内される。許可申請不要の瞬間です。」という流れです。

この一連の動きから、「操縦者と認証機が高く信頼されている事が伝わってきます」。

DIPS申請、進化の証

具体的には、DIPSの申請プロセスにおいて、以下の条件を選択していくと、その判定が下されます。

  1. 飛行の場所や方法、立入管理措置等を選択する最初の画面で、飛行目的や飛行形態にDID、夜間飛行、目視外飛行、人モノ30Mを選びます。これら以外は選びません。
  2. 操縦者の技能と機体の認証状況に関する質問で、「技能者(国家資格保有者)+認証機(型式認証を受けた機体)?」という問いに対し、「YES」と答えます。
  3. 機体の総重量に関する質問で、「25kg未満」を選択します。

これらの条件を満たすと、DIPSは次の画面でカテゴリー判定と併せて同時に「飛行計画通報へ」といったボタン案内を表示し、ユーザーを次の「飛行計画通報」の画面へとスムーズに誘導します。

わたしは、これを「許可申請不要の瞬間」と名付けました。

「信頼」がもたらす簡素化

この「許可申請不要の瞬間」は、単なるDIPSの機能改善に留まりません。

その背後には、「操縦者と認証機が高く信頼されている」という行政側の明確な思想が存在します。

  • 国家資格者への信頼
    厳格な試験をクリアし、国の定める知識と技能を証明された操縦者(国家資格者)は、安全運航の基礎が確立されていると行政に認められています。
  • 認証機体への信頼
    型式認証を受けた機体は、その設計や製造プロセスが国の安全基準を満たしていることが公的に保証されています。さらに、個別に機体認証を受けることで、その機体が安全な状態にあることが確認されます。
  • 総重量25kg未満の機体
    大型機と比較して、万が一の事故の際のリスクが比較的低いと判断されるため、さらなる簡素化の対象となります。

これらの組み合わせは、行政が「事前審査を簡素化できるほどの高い安全性」を担保していると判断し、許可申請という手間を省略していることを意味します。

これは、従来の添付書類による「エビデンス審査」から、申請者の自己申告を「信頼」する「申告審査」への転換の具体的な現れでもあります。

「許可不要」の真の恩恵

この「許可申請不要」がもたらす恩恵は、ドローンを運用する事業者や操縦者にとって計り知れません。

  • 時間と手間の大幅削減
    煩雑な許可申請書の作成や、行政機関とのやり取りが不要となるため、申請業務にかかる時間と労力が劇的に削減されます。
  • 運用の柔軟性向上
    飛行日の直前でも飛行計画を立てやすくなり、急な依頼や現場の変更にも迅速に対応できるようになります。
  • コスト削減
    申請代行費用などのコストを削減できる可能性も生まれます。
  • 業務の迅速化・効率化
    これにより、ドローンを活用したビジネスの効率化と迅速な業務遂行が可能となり、活用の場が大きく拡大します。

注意点と未来への展望

「許可申請不要」は画期的なメリットですが、だからといって無条件にどこでも飛ばせるわけではない点に注意が必要です。

  • 「許可不要」の範囲の限定性
    このメリットが適用されるのは、特定の条件(国家資格者+認証機体+25kg未満)を満たした特定の特定飛行に限られます。例えば、第三者上空(レベル4)、空港周辺空域、催し場所上空、危険物輸送、物件投下といった高リスクな飛行は、引き続き個別の許可・承認が必要です。
  • 「自己責任」の明確化
    許可申請が不要になっても、航空法で定められた安全確保の義務は変わりません。むしろ、DIPSが「信頼」している分、運航者自身の安全管理能力や、飛行マニュアルの遵守、リスクアセスメントの徹底がより厳しく問われることになります。

DIPSのさらなる進化は、ドローン産業の発展に不可欠です。この成功体験を基に、より多くの飛行形態で申請の簡素化が進み、ドローンが安全かつ効率的に社会に貢献できる未来が期待されます。

まとめ

DIPSにおける「許可申請不要の瞬間」は、国家資格者と認証機体(特に25kg未満)に対する行政の高い信頼の証です。

この簡素化は、ドローン運用における時間と手間の大幅削減、そして業務の柔軟性向上という大きな恩恵をもたらします。

しかし、この「許可不要」が全ての飛行に適用されるわけではなく、運航者の自己責任原則に基づく安全確保義務は変わりません。

DIPSの進化は、ドローン産業の効率化と信頼性向上に貢献し、安全な社会実装を加速させるでしょう。

法令遵守と高い安全意識のもと、この新たな時代を最大限に活用していくことが、ドローン事業の成功への鍵となります。

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